とくに韓国のプレッシャーがきびしいわけではないのに、
日本はルーズボールがまるでおさまらない。
おもしろいように(おもしろいわけないけど)
韓国へ韓国へとボールがながれていく。
この試合で、ゴールキーパーの西川は全部ロングボールをけっていた。
下からつないでせめあがる、というのはいちどもなく、
ロングボールをいれてはセカンドボールをひろわれていた。
なんだか相手にボールをプレゼントしてるような攻撃だった。
スローイングもうまくいかず、
おおくを韓国にうばわれている。
パスをつなごうとするのは韓国のほうで、
日本はせっかくボーリうをうばっても、
あわてて前におくってはうばわれる。
試合のながれがなかなか日本にこない。
よくあれだけせめつづけられて、1失点におわったものだ。
ポゼッション率は4:6以上で韓国だったのではないか。
1-1のまま後半ロスタイムへ。
ひきわけが頭をかすめたときに、
原口が左サイドからぬけだし、強烈なシュートをはなつ。
ゴールキーパーがはじいたところを柿谷がおちついてボレーをきめる。
ロスタイムは5分とながく、
そのあとも韓国がたてつづけにコーナーキックをあびせてくる。
レフリーが韓国よりで、90分をとおしてなんども不可解な判定がくだされた。
それでも日本の選手たちはくさらずに
冷静に試合をすすめていく。
栗原がたのもしくたちはだかったし、
豊田のつよさが、ディフェンダーとしてもきいていた。
ただ、クリアーが精一杯で、とてもつないでせめあがる余裕はない。
柿谷のあげた2点は、そんななかの、
ほんとうに数すくないチャンスをいかしたことになる。
決定力不足の日本としては、
ほしくてたまらなかった強力な決定力だ。
ずっと守備におわれていた原口は、
さぞドリブルでかけあがりたかったことだろう。
前半はまったく攻撃のチャンスがなく、
後半もドリブルにもちこめたのは2回だけだ。
さいごに、シュートこそキーパーにふせがれたが、
原口らしいうごきで得点にからむことができた。
この試合にかったことで、日本は東アジア杯ではじめての優勝を手にした。
さすがにどの選手もうれしそうだ。
海外組にたよらなくても、
オーストラリア、それに韓国にかつことができき、
優勝という結果さえ得たのだ。
6失点したとはいえ、8得点をあげられたのはおおきな収穫だった。
得点王となった柿谷や、大会MVPにえらばれた山口蛍だけでなく、
キレのあるドリブルと決定力が印象にのこった斉藤学、
2得点をあげた大迫、ポストプレーや守備への貢献がひかった豊田や
その豊田へ的確なパスをおくりつづけた山田大記など、
おおくの選手が期待どうりの活躍をみせてくれた。
原口のたたかう姿勢にあふれたプレーもだいすきだ。
優勝という結果をあげることができ、
ザッケローニ監督もしばらくは雑音になやまされることなく
仕事に専念できるだろう。
予想外のゆたかな収穫を監督がどういかしていくのか、
これからの代表戦がたのしみになってきた。
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