2013年09月17日

『鷹の爪Go〜美しきエリエール消臭プラス』

『鷹の爪Go〜美しきエリエール消臭プラス』

率直にいって、3作目のやきなおしみたいなかんじで新鮮味がない。
劇場版でおなじみの「バジェットゲージ」と
「プロダクト・プレイスメント」もいまさらというかんじで
ちょっとくるしい。
とくに「プロダクト・プレイスメント」は
映画のながれをかんぜんにきってしまうので、
とうとつに甲府市や松江市の宣伝がはいっても
そうはたのしめない。
ここらへんは「鷹の爪」のむつかしいところだ。
フラッシュアニメのチープさをそのままにして、
マイナー路線をまもりつつ大衆うけをねらい、
これまでの設定をいかしながら、
「あたらしい」作品をつくるという、
相反する条件をクリアーしなければ
自分たちの首をしめることになる。
きゅうに絵がうまくなったり、
うごきがなめらかになったりしては、
「鷹の爪」でなくなってしまうのだ。

オープニングはよかった。
「安全にみていただくためのビデオ」で、
アテンダント姿の吉田くんが劇場版のルールについて
テキトーな説明をする。
ところどころに機内っぽい「注意」がまじり、
つい素直にききながしてると、
「だれですか?本気でさがしたのは」とつっこまれる。

本編でも、ちりばめられているギャグ
(おもに吉田くんのボケ)にはわらえるが、
(「島根をバカにしていいのは鳥取だけだぞ!」とか)
ストーリーが関係してくると、とたんにギクシャクしてしまう。
とりわけ、オキテマス=スマイルとヨルニーがでてくるとリズムがわるくなる。
ゴゴゴ星の元総司令官だけど、いまはおちぶれた氷管理責任者、と
いうくらいの設定ではそんなにひっぱれない。
今回は、フィリップにセリフがおおかったのも
リズムをくずした原因かもしれない。
彼がはなすと、どうしても「なめらかに」、というわけにはいかない。
フィリップファンにはおすすめの作品だけど。

好感がもてたのは、ゴゴゴ星をかくときの手ぬき画像だ。
ゴゴゴ星はネマール人に征服されてしまい、
いいかげんなキャラクターデザインと背景の星になってしまった。
侵略された民族のかなしさがにじみでる。
射殺されるために中庭にあつめられると、
そこはなんだかほんとうに中学校の中庭みたいで、
バスケットのゴールまでおいたあった。
この精神こそが「鷹の爪」が「鷹の爪」であるための
よりどころだろう。

わたしが劇場にいったのは平日の夜レイトショーで
50名ほどのお客さんがはいっていた。
お客さんの反応はそんなに敏感だったわけではなく、
ところどころでわらいがおこる程度だ。
3年前に3作目をみたときには、お客さんが3人と、
そのときはさすがにさみしかった。

9月20日までに劇場におとずれたお客には
DVDがプレゼントされる。
これが劇場版の6をかねているというからややこしい。
島根以外のファンはちょっとひいてしまいそうな内容だ。

かきわすれていたけど、エンディングはとてもよかった。
ラストの意外性もわるくなかったので、
花火大会みたいに最初と最後の5分ずつをもりあげて、
つじつまをあわせた作品とまとめることができる。
とはいえ、すごくたのしみにしていたので、
もうひとつのりきれなかったというのが本音だ。

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posted by カルピス at 12:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 鷹の爪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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