率直にいって、3作目のやきなおしみたいなかんじで新鮮味がない。
劇場版でおなじみの「バジェットゲージ」と
「プロダクト・プレイスメント」もいまさらというかんじで
ちょっとくるしい。
とくに「プロダクト・プレイスメント」は
映画のながれをかんぜんにきってしまうので、
とうとつに甲府市や松江市の宣伝がはいっても
そうはたのしめない。
ここらへんは「鷹の爪」のむつかしいところだ。
フラッシュアニメのチープさをそのままにして、
マイナー路線をまもりつつ大衆うけをねらい、
これまでの設定をいかしながら、
「あたらしい」作品をつくるという、
相反する条件をクリアーしなければ
自分たちの首をしめることになる。
きゅうに絵がうまくなったり、
うごきがなめらかになったりしては、
「鷹の爪」でなくなってしまうのだ。
オープニングはよかった。
「安全にみていただくためのビデオ」で、
アテンダント姿の吉田くんが劇場版のルールについて
テキトーな説明をする。
ところどころに機内っぽい「注意」がまじり、
つい素直にききながしてると、
「だれですか?本気でさがしたのは」とつっこまれる。
本編でも、ちりばめられているギャグ
(おもに吉田くんのボケ)にはわらえるが、
(「島根をバカにしていいのは鳥取だけだぞ!」とか)
ストーリーが関係してくると、とたんにギクシャクしてしまう。
とりわけ、オキテマス=スマイルとヨルニーがでてくるとリズムがわるくなる。
ゴゴゴ星の元総司令官だけど、いまはおちぶれた氷管理責任者、と
いうくらいの設定ではそんなにひっぱれない。
今回は、フィリップにセリフがおおかったのも
リズムをくずした原因かもしれない。
彼がはなすと、どうしても「なめらかに」、というわけにはいかない。
フィリップファンにはおすすめの作品だけど。
好感がもてたのは、ゴゴゴ星をかくときの手ぬき画像だ。
ゴゴゴ星はネマール人に征服されてしまい、
いいかげんなキャラクターデザインと背景の星になってしまった。
侵略された民族のかなしさがにじみでる。
射殺されるために中庭にあつめられると、
そこはなんだかほんとうに中学校の中庭みたいで、
バスケットのゴールまでおいたあった。
この精神こそが「鷹の爪」が「鷹の爪」であるための
よりどころだろう。
わたしが劇場にいったのは平日の夜レイトショーで
50名ほどのお客さんがはいっていた。
お客さんの反応はそんなに敏感だったわけではなく、
ところどころでわらいがおこる程度だ。
3年前に3作目をみたときには、お客さんが3人と、
そのときはさすがにさみしかった。
9月20日までに劇場におとずれたお客には
DVDがプレゼントされる。
これが劇場版の6をかねているというからややこしい。
島根以外のファンはちょっとひいてしまいそうな内容だ。
かきわすれていたけど、エンディングはとてもよかった。
ラストの意外性もわるくなかったので、
花火大会みたいに最初と最後の5分ずつをもりあげて、
つじつまをあわせた作品とまとめることができる。
とはいえ、すごくたのしみにしていたので、
もうひとつのりきれなかったというのが本音だ。
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