外でのジョギングならまだしも、
とまっている機械の上をはしるのには、なにかきいてないと
さすがに間がもたない。
いつもつかっているiPodシャッフルがなくなったので、
きょうは第1世代のiPodシャッフルをひっぱりだした。
いれてあった曲をそのままもってきてきいていると、
王様の『深紫伝説』がかかった。
もうずいぶんまえに直訳ロックとして話題になった、あの王様だ。
直訳といっても、ただ英語の単語をそのまま日本語になおすのではなく、
全体の意味をとらえたうえで、ことばのながさも考慮し、
しかもきいたときに「ロック」になっていなければならない。
「スモーク・オン・ザ・ウォーター」を
「湖上の煙」とやくしたのはそのためで、
ちょっと歌詞をみれば、それがどれだけむつかしい仕事であったかがわかる。
そうして苦労してつくった歌であっても、
いかにもダメなおじさんっぽっくうたうからおかしいけれど、
王様がじつはものすごいテクニシャンであることを
おおくのひとが気づいている。
歌詞のセンスとギターのうまさはただものではない。
この『深紫伝説』も、きいているとめちゃくちゃおかしい。
英語でうたわれるともっともらしくきこえるが、
こんなたいしたことない内容だったのかとわかれば、
だまされたというか、脱力するというか。
狼だとおもっていたら、よいこの羊だったのだ。
「タイヤもふといし全部ある。はやさの王様〜」
そーだったのね。
ユーチューブで「ディープ・パープル」をさがす。
「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のでだしは
あまりの迫力に、いったいなにがはじまるのかと戦慄をおぼえる。
もとの曲はめちゃくちゃかっこいいのだ。
歌詞があんなにしょぼいとしらなければ。
わたしは王様のミニコンサートに2回遭遇した。
市内のささやかな秋祭りに、2年つづけてよばれていたのを、
2年つづけてきいたのだ。
王様は、ほんとうに王様のかっこうをしている。
ほっぺたにはバカボンみたいにうずまきがかいてあったし、
王様がかぶる冠の帽子もほんものだ。
たのしくてたまらないという顔をして
ギターをかかえている王様をみていると、
こっちまでしあわせになった。
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