2014年01月14日

日本文明が世界に貢献できること

NHKスペシャルで、”日本式”生活インフラについてとりあげていた。
日本人にとって、あたりまえだとおもっている
水道の水がのめることや、正確な交通機関、宅配便などが、
世界ではものすごくありがたサービスだという。
アニメやメイド喫茶がクールといわれ、
あらためてその価値に気づいたりしてきたけど、
ひとつひとつのサービスをつつんでいる
システムそのものがほかの国ではありえない水準にあるのだ。

また、日本にきていちばんおどろいたのは、
靴屋さんで、店員さんがひざかがみになって靴をえらんでくれたこと、
とはなすひともいた。
こういう「おもてなし」のこころは、
たしかに日本ならではのものだろう。
日本にいると、あまりにもあたりまえの「環境」なので、
安全で清潔で親切なこの国のよさを、ついみのがしてしまいがちだ。

日本式生活インフラというと、なんのことかわかりにくいけど、
これは、日本文明そのものといっていいのではないか。
いぜん梅棹忠夫さんが、電車の車両は文化であり、
電車を運行させるシステムが文明、というたとえで
文化と文明のちがいを説明されていた。
日本の車両をほかの国にもっていっても、
1分30秒間隔で安全にはしらせることはできない。
ひとつひとつの装置をどうくみあわせるかという
システムがちがうのだ。

各国には、それぞれの文化が根づいている。
ハンバーガーやコーラなど、文化は輸出可能だ。
文明はどうだろうか。
古代文明やローマ帝国など、ひとつの国がさかえると、
その勢力をほかの地域にもひろげていったように、
文明もまた発祥の地からほかの場所へと移植されていく。
正確に電車をはしらせるシステムや、
つぎの日にかならず配達されるという宅配便サービスが、
ほかの国でもひろがる可能性はじゅうぶんあるだろう。

番組では、給食システムやスーパー銭湯など、
日本にしかなじまないサービスかとおもっていたものが、
ほかの国でもとりいれられている例が紹介されている。
あたらしいものだけでなく、くみとり式のトイレだって、
リサイクルのきく、とても便利なしくみなのだという。
世界ではおおくのひとがトイレなしで生活しており、
これからそのひとたちが水洗トイレをつかえるようにととのえるのは、
現実的な解決策ではない。
そんなときにはくみとり式のトイレがやくにたつ。
このごろ日本製品は、韓国や中国製品におされて元気がないけれど、
システム全体としては日本のきめこまやかさはずばぬけている。
日本文明そのものの輸出という手があったのだ。

しかし、せっかくの日本のつよみも、
外国政府からの受注には、なかなかむすびつかないという。
相手国の事情にあわせることが、日本企業にはなかなかむつかしく、
外国のプロジェクトばかり採用されていく。
番組では、どうすれば「かせぐ力」となるか、
という問題意識でまとめようとしていたけど、
ここらへんにくると、わたしにはほとんど興味がわいてこない。
こんなふうにビジネスのはなしにするとおもしろくなくなる。
日本には独自の発達をとげてきたユニークな文明があり、
外国のおおくがそのすばらしさに気づきはじめている。
もっと日本文明ならではの、オリジナルなちからを強調できないものか。

資源ごみの回収や、健康診断車の巡回など、
地方自治体がこまかいノウハウをこれまでつみあげており、
外国から研修にまねいて、普及にちからをかしている町も紹介されていた。
おおくの国にとって、しんじられない便利なサービスが
スムーズに運用されている日本は、
日本文明の輸出というかたちで世界に貢献できる。

インドのひとたちがイメージする日本は、
1位が先進技術の国、というのはともかくとして、
2位に「平和を愛する国」があげられているという。
日本の発展は、製品の品質によるものだけでなく、
これまでにきずいてきた、
こんなすばらしいイメージのおかげかもしれない。
しかし、そのイメージはイメージだけになりつつある。
日本文明が世界にひろがっていくことで、
世界の平和に協力することができれば、
それがいちばん日本がほこれることではないだろうか。

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posted by カルピス at 12:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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