2014年01月18日

西部謙司さんによるWカップ分析「日本代表に見る夢」

『サッカー批評66号』の特集は「Wカップに夢はあるか?」。
西部謙司さんの記事「日本代表に見る夢」がよかったので紹介する。

「うん、なかなかいいんじゃないの。
同じグループに入った4カ国の人々がそう言っているなら、
それは疑いなく少しもよくない組み合わせである」(西部)

日本のサッカー関係者のおおくが、
「きびしいことにかわりはないが、そんなにわるくないグループ」
というみかたをしている。
ほかの国も、きっとそうおもっている。
だからこの西部さんのかきだしは的を射ており、とても効果的だ。

「『3強1弱の死のグループ』よりマシだが、
4強ないし4弱というのも同じくらい難しい組み合わせ」(西部)

なのだそうだ。
ただ、対戦の順番はいいという。

・グループのなかでいちばんつよいコロンビアと
 3戦目にあたる
・うまくいけば、コロンビアはかつ必要がない状況になっていて、
 メンバーをおとしてくるかもしれない
・ギリシャとの2戦目も、ひいてまもるとくずしにくいギリシャが、
 1戦目のコロンビア戦でまけていれば、せめてこざるをえない
 「普通に攻めてくるならさほど難しい相手ではない」(西部)

日本がグループリーグにかちのこるという意味だけでなく、
これまでのやり方をかえずにすむという点でわるくないグループなのだ。

・コートジボワールとは、互いに相手の長所を潰しながら
 いかに自分たちのペースに引きこむかという主導権の奪い合い
・ギリシャは基本的に日本が攻めてギリシャが守る形
・コロンビアは相当な難敵だが、この試合で最悪勝ち点3が必要なら
 攻めるしかない(西部)

というわけで、「これまでの強化プランを変えずにいけそうだ」と、
期待できる。

西部さんは
「今大会の使命は日本のサッカーを表現したうえで、
ベスト16以上の結果をだすこと」
としている。
この「使命」も、おおくのひとが同意するところだろう。
前回の南アフリカ大会では、直前に戦術を変更し、
ベスト16という結果をえたものの、
「やりのこし感」のある大会となった。
だから、こんどこそというおもいが、選手とファンの両方にある。

西部さんは、いまの日本代表をこう整理している。

・ポゼッションして攻めるのとカウンターを防ぐのが得意
・カウンターアタックも悪くない
・相手にボールを持たれて自陣でのプレーが増えると
 ミスで自滅する
・ポゼッションできる場合でも
 極端に引かれてしまうと点がとれなくなる
 (しかし、改善できないわけではない)

なので、「問題は相手にボールを持たれてしまうケース」だ。
そのときにどうまもるか。

きょねんの11月におこなわれたオランダ・ベルギー遠征では、
この「まもり」の課題がうまくいった。

「前線からハメ込む守備で多少のメドが立ちつつある。
ここが良くなれば、日本は強豪相手でも勝てる可能性が残る。
あとは時の運だ。夢も希望もある」(西部)

あとは時の運なのだ。
なげやりみたいだけど、ここまでくるのにどれだけの紆余曲折をへたことか。
戦術をかえる選択はもはやなく、これまでのサッカーを、
Wカップでためすという最高の舞台がととのった。
「夢と希望」の両方をもちながら、
6月の本大会にのぞめることをよろこびたい。

スポンサードリンク



posted by カルピス at 17:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック