まえにはたらいていた事業所では、夕方の送迎のまえに、
いちにちのようすを「サービス提供記録」というA5の用紙にかき、
保護者にわたしていた。
カーボン紙をはさんでコピーをとり、事業所用に保存する。
こういう方法をとっている事業所はおおいとおもうし、
便利なやり方ではあるけれど、
記録をかくときに、職員の目が利用者からはなれてしまうことと、
せっかくとった記録が、あとでデーターとしていかせないという欠点がある。
いちど紙にかいた記録を、あらためてパソコンに入力するのは2ど手間だ。
かえるまえのいそがしいときに記録をかくのは、
とても大変なことなのに、そのデーターをあとからいかせられないのでは、
なんのための記録かわからない。
ということで、ピピではサービスがおわってからパソコンに記録を入力し、
それを1ヶ月分まとめて保護者にわたしていた。
いちにちごとに記録を印刷し、夕方の送迎にまにあわすのは大変なので、
1ヶ月まとめておわたしすることを、契約のときに了承してもらう。
でも、保護からは、1ヶ月分をまとめてわたされても、
よんでみたいとおもわない、といわれるようになった。
どんなおやつをたべ、トイレに何時にいった、というデーターではなく、
どんなようすですごしていたのかがしりたいわけで、
1ヶ月後にまとめてわたされても情報としての新鮮さがない。
ピピでつける記録をどうしたらいいのかが、あらたな課題となった。
こうした活動記録はきまったひな形があるわけではなく、
保育園でも老人のデイサービスでも
それぞれの事業所が、それぞれのやり方でつけている。
記録する時間をどう確保するかや、
その記録をどうサービスにむすびつけるかで、
どこも頭をいためておられるのではないか。
労力がかかるのに、データーとしていかせないのではもったいないし、
でも、ただの記録では保護者の方がもとめるものにはならない。
事業所は、支援計画にそってサービスを提供するけれど、
その計画と毎日の記録とを関連づけることも じつはむつかしい。
日々の蓄積により、3ヶ月で成果をあげることがあっても、
いちにちでみると目にみえる変化がそうあるものではない。
ピピの職員ではなしあい、
その日の活動のようすを写真でおくったら、という案がでる。
文章でようすをつたえるより、写真のほうがずっとよくわかる。
しかし、それはそれでしっかりした方法をかんがえておかないと、
写真をとりわすれたり、それをおくるときの手間もばかにならない。
事務量は、ほっておくといくらでもふえていくのだそうだ。
やればいいことはいくらでもあるし、
それらをどこまでもこまかく分析できる。
必要なデーターをきめ、どうあつめるのかは事業所の判断だ。
保護者からの要求と、事業所として
どれだけのエネルギーをかけられるかのおりあいは
どこでつけたらいいのか。
エバーノートやメモ、そしてこのサービス提供記録でも、
どういうふうに情報をあつめ、それをどう生かしていくかは
永遠のテーマともいえる。
データーをあつめるのには相応の労力が必要で、いざあつめても
うまくいかせなければ労力がむだになる。
支援の目標は支援計画にあるからといて、
そこにデーターの焦点をあてるだけでは
いまの記録とそうたいしてかわるものにならない。
せっかくつける記録なのだから、
ただ監査対策としてではなく、あとでやくにたつものにしたい。
いい方向に再スタートをきれるよう、
もうすこし検討をつづけることになった。
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