2014年05月16日

島根県の道路標識がさらに英語をとりいれることについての抵抗感

きのうの朝日新聞島根版に、道路標識の変更についての記事がのった。
「外国人に分かりやすく」するためらしい。
こういう記事がのるといつもひっかかるのは、
「外国人」とはだれのことなのか、ということと、
英語にしたら、ほんとうにわかりやすくなるのか、ということだ。

2013年12月末における島根県在住の外国人は5,301人で、
そのうちアメリカ人が120人、イギリス人15人など、
英語を母語とする外国人は156人しかいない。割合でいうと2.9%だ。
観光客も、おそらくほとんどは非英語圏からのひとたちで、
そのひとたちにむけて英語の表示を用意する意味はなんなのだろう。
英語が世界の共通語であるかのような、
こういう施策はおかしくないか。

ローマ字についてのサイト「ローマ字あいうえお」によると、
http://green.adam.ne.jp/roomazi/hebonsikimodoki.html
「道路標識(案内標識)の地名を表記するローマ字は
国土交通省がさだめている独自方式で、ヘボン式の一種」とある。
川は「Riv」で、橋は「Bridge」など、名詞は英語でかく。
ローマ字というより、英語そのものをつかうと、
国土交通省がきめているだ。

今回の変更を具体的にみると、「Shinjiko」が「Lake Shinji」に、
「Yuhi」が「Sunset」へとかわる。

「『温泉』は『Onsen』が浸透しているので、
従来の表記『Spa』を『Onsen』に統一する」

というから、わるい変更ばかりではないようだ。

記事では「訳し過ぎ表記も」として
「はつらつ体育館」を「Lively Gymnasium」とした例をあげている。
カナダ出身のひとの意見、「(Lively)は体育館には少し奇妙に響く」を参考に、
ローマ字表記にあらためるそうだ(残念ながらヘボン式で)。
「定着した表記があればそれにしたがう」が原則なので、
「Lively」はたしかにやくしすぎかもしれないけれど、
そもそも日本語を英語にやくして表示するという基本方針そのものが
むちゃなはなしなのだ。

以前のブログにおなじような趣旨のことをかいた。
「オリンピックの準備を7年前からはじめる日本の独自性」
http://parupisupipi.seesaa.net/article/374870502.html?1400236590
どうもことばについてのこうした記事は、
わたしのナショナリズムをかきたてるようだ。

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posted by カルピス at 20:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | 表記法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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