ブラジル・ドイツ・アルゼンチン・オランダ。
名前をあげてみると、いずれものこるべくしてのこった国々にみえる。
そして、そのまえのベスト8でやぶれていった
コスタリカ・コロンビア・フランス・ベルギーのつよさをおもうと、
日本がベスト8を目標にあげていたのは、
どれだけ困難で、たかい目標であったのかわかる。
だからそんな身のほどしらずな目標をたてるな、というのではない。
そのためになにが必要で、なにがかけていたかを
丁寧に分析しなければならない。
日本はまだ、なにをもってして「日本らしいサッカー」といえるのかさえ、
つかみきれていない段階なのだ。
サッカージャーナリストの宇都宮徹壱氏は、
ザッケローニ体制の4年間で
この8カ国のうち、6カ国と日本は試合をして、
4勝1分2敗と、かちこしていることを指摘している。
「あらためてベスト8の顔ぶれに思うこと」
http://brazil2014.yahoo.co.jp/column/detail/201407040006-spnavi
そこからみちびきだされるのが 以下の3点だ。
・この4年間の日本代表のマッチメークは、
定期的に強豪国と対戦していたという意味で、かなり的確であったこと。
・これだけの成績を残していたら、日本が今大会の目標を
「ベスト8以上」と考えるのも自然な流れであったこと。
・やはり親善試合では相手との力の差は見えにくいということだ
(上記7戦のうち、公式戦は13年6月のブラジル戦のみ)。
あとだしジャンケンみたいに、グループリーグでやぶれさった日本代表へ
批判があつまっているけれど、
日本の試合だけでなく、世界の方向性もふまえて
Wカップとこの4年間を冷静に整理する必要がある。
当然ながら、優勝するのはひとつの国だけで、
あとは全部やぶれさっていくのだから、正解はけしてひとつではない。
優勝したチームをうらやみ、マネしようとするだけではさみしすぎる。
準決勝では、ブラジルがドイツに1-7というしんじられないスコアーでまけた。
スペインがオランダに0-5でやぶれたように、
ほんのすこし歯車がかみあわないだけで、
あるいは目にみえないなんらかの要因がかさなることで、
まるで高校野球の地区予選みたいな点差になる。
あのブラジルでさえ、だ。
もちろん、攻撃と守備の、それぞれの核であった
ネイマールとチアゴ=シルバが出場できなかったことはおおきいにせよ、
それだけでは説明のつかない「なにか」があったのだ。
ドイツの攻撃をまえにして、シュート練習かとおもえるほど
ブラジルの選手はほとんどからだをよせずに
ゴールへすいこまれるボールをただながめている。
いったいピッチ上でなにがおきているのか、
テレビの解説と観客は、そしてなによりブラジルの選手たちは
なにがなんだかわからないようすで、つづけざまにドイツのシュートがきまる。
ボール保持率はほぼ互角(ブラジル51・ドイツ49)で、
シュートもブラジル18(枠内13)に対して、ドイツ14(枠内12)だったのに
これだけ点差がはなれたのは、数字にはあらわれない「なにか」が決定的にちがっていたのだ。
試合をみていると、ブラジルの攻撃は淡白で迫力がなく、
きっとこの「なにか」は必然でもあったはずだ。
サッカーでは、なにがおきても不思議はないとよくいうけど、
スペインとブラジルの大敗はあまりにもショックがおおきすぎる。
それだけ世界レベルの国では、実力に差がないのだろう。
日本だって、その一角にくいこむのはけして不可能ではないともいえる。
つぎの大会では、優勝しなくても「優勝パレード」をしたくなるぐらい、
日本のサッカーファンが満足し、しあわせになることをねがっている。
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