2014年10月31日

自転車が車道をはしれる道路をのぞむ

秋の交通安全運動なのだろう、
橋のたもとにたって、とおりかかる自転車を
おまわりさんがよくとめて 指導している。
とくに問題のなさそうな自転車でも、
通学生などは のきなみとめられており、
いったいなにをはなしているのか興味がわいてくる。
わたしはまだこれにひっかかったことがなく、
いちど指導をうけたいとおもっていた。
時間帯と場所さえおさえておけば、わりあいかんたんに
「指導」してもらえそうなので、機会をうかがうことにする。

わたしがのっている自転車は、ドロップハンドルで
サドルがかなりたかめ。
ライトはまえとうしろにつけており、
足には反射テープもまいている。
完璧な自転車のりをよそおうため、
いつもはつけないヘルメットを、
この何日かは かぶってはしっていた。
きのうの夕方、やっと指導の現場にでくわした。

3人組のおまわりさんが、2台の自転車をとめ、
のっていたひとに なにやらはなしている。
わたしには なにもいわれなかったので、
3人目のおまわりさんのうごきをうかがう。
「(とまらなくて)いいですよ、気をつけていってください」と
むこうにいくよう うながされた。
せっかくの機会なので、なにについて指導しているのかを
こちらからたずねてみる。

ライトをつけてない自転車や、
イヤホンを耳にさしているひとを 指導しているのだそうだ。
「サドルのたかさは注意しないのですか?」とたずねると、
関係ないという。
よほどへんなハンドルに改造していたらとめるものの、
おもにみているのは ライトとイヤホンの2つみたいだ。

わたしがはしっていたのは道路の右側で、しかも歩道だった。
3メートル以上の幅がある歩道なので、
法的には自転車がとおってもいいのだろうが、
歩行者としたら 自転車がいきかう道路は おちついてあるけない。
おまわりさんの「指導」はライトだけでなく、
自転車は車道をはしる、というきまりの徹底にも
目をくばるべきではないのか。
本来、歩行者と自転車がおなじ通路をとおることに無理があるのだ。

タイで自転車にのっていたときに、
交通整理のおまわりさんに注意されたことがある。
日本的な感覚で、右側でもまあいいだろう、と
そのままはしっていたら、
ちゃんと左側をはしりなさい、といわれた。
この注意は、まったくただしい。
自転車は車両なのだから、左側でないとはしってはいけないし、
歩道だってとおる権利はない。
日本はそれがものすごくいいかげんになっていて、
右をはしっていても注意されることはまずないし、
歩道を自転車があたりまえにとおっている。
歩道は歩行者がとおるためのもので、
なんでそこを自転車もとおるようになってしまったのか。
信号も、自転車と歩行者を
いっしょなグループにいれられていることがおおいけど、
本来それはおかしなことだ。
自転車は車両であることを、
いいかげんはっきりさせたらどうだろうか。

自転車がはしる場所についてしらべてみると、
いくつかの例外をのぞき、原則として車道をとおることになっている。
ただ、自転車も自動車も、歩行者もよくきまりがわかっておらず、
あいまいなままになっているのが現状だ。
抜本的にみなおせばいいとおもうけど、
あまりにも混乱がおきそうなので
なかなか手がつけられないのだろう。

自転車が車道をはしるときに問題となるのは、
自転車がとおる空間を、ちゃんと確保していない道路がおおいことだ。
全部の自転車がきまりをまもって道路をはしったら、
自動車の運転手からすぐに苦情がでるだろう。
自転車専用道路をととのえないできたツケとして、
いまだに混乱をまねいている。
けっきょく、自転車は車両であると
位置づけることからはじまるのではないか。
車両なのだから、当然それがとおる道路もととのえる。
いまの自転車の位置づけと、自動車優位の道路では、
歩行者も自転車も自動車も、おたがいにあぶなっかしくて、不幸だ。

自転車にのるものからいわせてもらえば、
道路は自動車だけのものではないのだから、
もっと歩行者と自転車にスペースを提供してもらいたい。
それをしないでおいて、省エネだエコロジーだと
(「ノーマイカーデー」なんていうのが、わたしのすむ町にはある)
自転車の利用をよびかけられても、
まったくリアリティがない。
自転車にのりたくなるようなしくみを本気でかんがえれば、
いまみたいな道路は時代錯誤でしかない。
おまわりさんには、ライトやイヤホンへの指導よりも、
自転車は車道をはしるように指示してほしい。
そのときには、自転車がはしれるように
車道をととのえてと いいかえそう。

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posted by カルピス at 22:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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