2014年11月29日

「マイナス8個のタコヤキと3個のタコヤキをたしたら」 かんたんにはわからないほうが ただしいかも

きのうの朝日新聞で、これまでじゅうぶんな教育をうける機会がなかった
バングラディシュやフィリピンの子どもたちに、
動画をつかった授業をとどけるこころみが紹介されていた。
「教えるのがうまい先生の授業を動画に収録し、
 『最高の授業を世界の果てまで』届ける」のだという。

といっても、ここにかくのは教育格差についてではなく、
わたしがしっかり数学を理解できていない、というはなしだ。
動画をつかったある教室で、
「正の数と負の数を足したら、どうなるかな」
という問題にとりくむようすが紹介されていた。
これくらいなら、わたしにもまだついていけそうだ。
でも、すこしかんがえてみて、
わたしはただしく負の数について理解していないことがわかった。
自分では計算できても、とても子どもたちにおしえられない。
負の数字というのは概念上のはなしであり、
だれもマイナスの状態のものなんか みたことがないはずだ。
マイナスを理解できるかどうかは、
おそらく頭のよしあしよりも、
その概念をうけいれられるかどうかにかかっている。
マイナス8個のタコヤキと3個のタコヤキをたしたら・・・、
マイナス8リットルの水、なんてあるわけないのだ。
わかるほうがおかしいような気もしてくる。
そういえば、いったいマイナスって なんなのだろう。
わたしはいちおうマイナスをふくむ計算もできるようになった。
でも、負の数字をただしく理解していないことはあきらかだ。
目にみえないこんなむつかしいことを、
かんたんに理解できないほうが「ただしい」のではないか。

温度がマイナス3℃、というのはわかる。
とりあえずの基準として、ある地点を〇℃とし、
それよりもひくければマイナスの温度となる。
でも、ものの数のマイナスはわからない。
これを理論的にただしく理解できたひとは、
そのあともなにか壮大な発見をするかもしれない。
基本となる部分がしっかりしているから。
わたしみたいに、とりあえずは計算できるけど、
ほんとうによく理解しているわけではないものは、
応用がきかず、その場かぎりの正解でおわるだろう。

そんなことをいいだせば、
わたしの知識はどれもひどく大雑把で、
生活するうえではこまらないものの、
教育としてとらえたときには失敗した例だとおもう。
なぜそうなのかを、あいまいなまま ごまかしつづけた結果が、
つくろいだらけのわたしの知識だ。
きっとだから経済がわからないし、化学記号に拒絶反応をしめすし、
フランス語の冠詞がいつまでもおぼえられない。
基本がなければ応用がきかないのだ。

おしえ方のじょうずな先生の授業を動画でみたら、
わたしもただしくマイナスの概念を理解できるだろうか。
こういうのはセンスの問題であり、
「教えるのがうまい先生」が動画でおしえてくれても、
わたしの大雑把な把握はすくえない気がする。

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posted by カルピス at 09:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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