今回の日本公演では、松江のほかは東京と大阪だけでしかひらかれない。
関係者に松江出身の方がおられ、
その縁もあっての「なぜか松江」公演だ。
まさかの満席で、500人定員の1階は開場とともにうまったそうだ。
2階席にむかうよう案内される。
わたしは関係者でもないのに、
50人くらいしかあつまらなかったらどうしようと、なんて心配していた。
おそらく実行委員会の方々が、いろんな方面にうごいたのだろう。
SNSは、そうしたときにやくにたちそうだ。
子どもづれもおおく、ほとんどがわかいひとで、中高年の方はあまりみかけない。
19:25に、メンバーのひとりがでてきてピアノをひきだした。
いい雰囲気、とおもってきいていたけど、それが15分以上もつづくので、
「ピアノもいいけど、サーカスのほうはどうなってるんだ?」
とイライラしてきはじめたころ、ようやくだしものがはじまる。
フランスのサーカスときいて、配偶者は
フランス語ができないと、たのしめないのでは、と心配していた。
もちろんそんなことはなく、
「おかーさん、ごめんなさい!」みたいに、
日本語をじょうずにはなす(発音する)。
そういえば、外国からくるサーカスに、ふつうことばの心配なんかしない。
ささやかなギャグにも配偶者はわらい声をあげる。
ほんとにサーカスがすきなひとだ。
いつもこれくらい友好的だとありがたいけど。
もっとも、会場の雰囲気がとてもよく、ずっとわらいがたえない。
ちいさな子どもたちもおおよろこびだ。
ゾウ2頭がでてきての、「いかにもサーカス風」演技に 場内がもりあがった。
ゾウがうとうとするあやしげな雰囲気がなんだかおかしい。
間のとり方がうまく、ふしぎな世界をつくってしまう。
ほかにも、自分のスーツをないがしろにされ
「いじけるおじさん」がおかしかった。
ふつう、たかだかスーツをじゃけんにあつかわれたといって、
そんなにがっくりしないのに、
とんでもなくかなしい目にあった、みたいにえんじて、
みてる側もそんな気にさせてしまう。
指をつかった「スコットランド・マジック」にもわらった。
このひとは、ギャグ系のネタしかできないとおもわせて、
そして、この劇団はその路線だけだろうと油断させておいて、
あとですごいジャグリングをみせてくれる。
失敗するとポケットから花びら(みたいなもの)をさっとまいてごまかすひとも
なんとなくフランス的におしゃれだ。
出演者は4人しかいない。
みているうちに4人のキャラクターがだんだんわかってきて、
その共通理解のもとに4人があそびまくる。
こんなやり方があるんだ。
日本にはあまりないスタイルだろう。
テニスラケットとボールをつかってのジャグリングがみごとだった。
プロだ。
あんまりじょうずなので、どんなことをしても失敗しないから、
なんだかかんたんな演技にみえてしまうけど、
そんなわけはない。すごい技にきまっている。
ラケットが5本にふえるとさすがにむつかしくなり、
なんどかラケットをおとす。
でも、トライしつづけて、さいごにはきめた。すばらしい!
21時にすべてのだしものがおわる。
アンコールをもとめる手拍子にはこたえず、
4人が舞台にでてきてスポンサーの名前をよみあげる。
この公演に協力してくれた方へのお礼もつたえる。
ほんとうに、よくこれだけお客さんがきてくれた。
出演者と会場との一体感も、こうした会ならではの あたたかなものだった。
みおわったあとも、かるい興奮がつづいている。
こんなたのしい公演を、気がるにみにいけたら(月いちくらいで)とおもう。
「しばらくおまちいただけたら、
ロビーで出演者が挨拶とパフォーマンスをします」、
と案内があったけど、
おなかがすいていたので会場をあとにする。たのしかった。
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