2015年03月05日

『乙女の読書道』(池澤春菜)わかい女性の活字中毒者がどう本をよんでいるか

『乙女の読書道』(池澤春菜・本の雑誌社)

『本の雑誌』に連載されていた記事を中心に
書評をまとめたもので、
自称「末期的活字中毒者」な池澤氏は、
「朝起きて読み、朝ご飯を食べながら読み、
授業中に読み、休み時間に読み・・・」と
ずっと本をよむ生活をおくっている。

『乙女の読書道』では60冊以上の本がとりあげてあるのに、
わたしがよんだことがあるのはたった1冊、
『ビブリア古書堂の事件手帖』だけだった。
紹介してある本のほとんどがSFとライトノベルで、
わたしがいかにこのジャンルにうといかが、そのままあらわれたかたちだ。
自分のしった本はすくなかったけれど、
これだけ本ずきなひとが紹介すると、
たとえ関心のないジャンルのものでも、
池澤さんのいきおいに圧倒されて たのしいよみものとなる。
紹介されている本を、「よんでみよう」とはおもわない。
「よーやるわ」とあきれながら、
極端にはしるかわったひとを 興味ぶかく観察するかんじだ。
SFとライトノベルを専門にした、
女性活字中毒者の生態が、この本であきらかになった。

それだけ重度な中毒者が、紙の本をきんじられたらどうなるか。
本書には、池澤氏がiPadだけで1週間をすごしたルポがのっている。
まだiPadミニがなかった時期のようで、
機械のおもさがつらかったのと、
ページをめくるのが意外とめんどくさいなど、
あらためて紙の本がどれだけすぐれたものかに気づいたそうだ。
 保存性も高い。データが飛んでなくなるという心配もない。
 だから、紙の本のインターフェイスは百年後も二百年後もぜったいにかわらないし、なくならない、駆逐されないと、私は確認した。
 でも、だからといって、電子書籍を完全否定するのも違うんじゃないか、と思う。
紙の本の優位性に気づきながらも、
電子書籍の将来を否定しないのは さすがにさきをみる目がやわらかい。
わたしにとってもよみやすいのは紙の本で、
全体の量の把握や、まえによんだところをさがすときなど、
紙の本だったら、とおもうことがよくある。
しかし、電子書籍が得意な面では(電子データーである点など)
ずいぶん便利であるのもまちがいなく、
紙の本と電子書籍との共存がこのましいのもたしかだ。
それに、初期の電子書籍リーダーでありながら、
重度の活字中毒者である池澤氏が、
くるしみながらも1週間をやりすごせたのだから、
電子書籍の機能がすでに一定のレベルにあることをしめしているのだろう。

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posted by カルピス at 12:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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