県の障がい福祉課(島根県は「障がい」という表記をえらんでいる)
がひらく会で、
国の施策が変更になったときなど、
県内の事業所をあつめてこうした説明会がひらかれる。
来年度は、3年ごとのふしめの年になるため
サービス報酬がかわるなど、おおきな変更がいくつもある。
事業所をあつめておきながら、まだきまってないという説明がよくなされる。
国の最終的な決定が、3月末にならないとわからないため、
県としても歯ぎれのわるい説明となるのはしかたのないところだ。
3年前もこうだった。
放課後等デイサービスがはじめてうごきだすときで、
4月からの事業が3月中旬になってもまだわからないことがあり、
事業所もたいへんだけど、県の担当者も苦労されていた。
来年度の障害福祉サービス予算案は1兆849億円で、
これは10年前の2倍以上の金額となっている。
障害者が2倍にふえたわけはないので、
なにかがこの10年ではっきりかわったのだ。
以前にはなかったサービスがいまはつかえるようになっているし、
家族だけで世話をするのがあたりまえだったのが、
いまは社会全体でみる意識になってきた。
それにしても10年で2倍はすごい。
いいことなんだろうけど、いいとばかりはいってられない数字だ。
会のおわりのほうで、「障害者差別解消法」についての説明があった。
「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」ということで、
2013年の6月に公布・一部施行されており、
2016年の4月1日に全体が施行される。
この法により、「合理的な配慮」がなされなければ法的に「差別」したとみなされる。
たとえば、視覚障害者がいるとわかっているのに
資料をよみあえげて説明しなかった、とか、
弱視の方に拡大コピーを用意しなかった、がこれにあたる。
わたしは介護業界ではたらきながら、こうした法律があることもしらなかった。
障害者スポーツのはなしになったとき、
日本の記者がテニスのフェデラー選手に
「なぜ日本のテニス界には世界的な選手がでてこないのか」と
たずねたはなしが紹介された。
フェデラー選手は、
「なにをいってるんだ、日本には国枝慎吾がいるじゃないか」
とこたえたという。
とてもいいはなしだけど、はずかしくもなる。
国枝慎吾選手は車いすテニスで圧倒的なつよさをみせつけているのに
わたしは名前すらしらなかった。
たとえば2020年の東京オリンピックはパラリンピックとセットなのに、
おおくのひとは健常者の大会ばかりに目をむける。
錦織圭選手も東京オリンピックも、わたしはたいして関心がないけれど、
国枝慎吾選手とパラリンピックへの理解のひくさは
ひとりのスポーツ愛好家としてはずかしいレベルだ。
「障害者差別解消法」でも、差別なんてしてないといいながら、
わたしの頭には差別的な価値観がすりこまれているかもしれない。
いつになくもりだくさんの説明会なのはよかったけれど、
自分の意識のひくさにがっかりした日でもあった。
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