2015年03月21日

日本語を勉強し、原文で村上さんの本をよみたいという外国人ファンの熱意

「村上さんのところ」には、日本人だけでなく、
外国人の読者からもたくさんのメールがとどいているようだ。
英語でかかれた質問がこれまでにいくつものったし、
「勉強中です」という日本語でかかれたものもたくさんある。
漢字圏の国だけにとどまらず、いろいろな国から
日本語でかかれた質問がおくられている。

文面には、村上作品にたいするあついおもいと、
村上さん本人への敬意があらわれており、
よむもののこころにストレートにとどく。
それらのファンに共通するのは
「村上さんの本を日本語でよみたくて」
日本語の勉強をはじめたことだ。
村上さんの本の魅力が世界じゅうのひとびとを夢中にし、
日本語をまなぼうという熱意までかきたてている。

わたしにも、翻訳された本ですきなものはたくさんあるけれど、
それを原文でよみたいとおもったことはない。
そのまえにあきらめがさきにたち、
現実可能な選択肢として意識にのぼらない。
日本語を勉強してまで村上作品を原文でよみたいという読者もすごいけど、
彼らにそうした気もちをひきおこす、村上さんの本のちからもすばらしい。

日本語を勉強するときに、
はなしたり、きいたりするのは、そうむつかしくないとおもう。
発音が簡単だし、文法もシンプルだ。
しかし、日本語をよみ、自分もかこうとした場合は
漢字・ひらがな・カタカナがいりまじった表記法、
なかでも漢字がおおきな壁となって
日本語学習者の意欲をなえさせるのではないか。
ひとつの漢字がなんとおりにもよめたり、
おくりがなが一定でないので、辞書をひくのにも苦労する。
そのあつくたかい壁にもたじろかず、
村上さんの本をよもうと日本語を勉強しているひとが
こんなにもたくさんいるなんて。

よく、外国語を身につけるのにいちばんいい方法は、恋愛をすることだ、
なんていわれるけれど、
原文でよみたいという動機も、非常にたかいレベルで学習意欲をかきたてるようだ。
「学習」というよりも、そのひとたちにとって
どうしてもそれをせずにはおれない、
つきうごかされるような あつい気もちとなっている。

日本人は何年も英語を勉強するのに なかなかはなせないのにたいし、
外国人はずいぶんはやくほかのことばになれていく。
その不思議についてよく話題になるけれど、
どれだけ本気でそのことばをしりたいとおもっているか、が
おおきな理由であることを、村上さんのファンたちはおしえてくれる。
彼らはすばらしい意欲で日本語の勉強にむかっている。
そのエネルギーは、村上さんの本をもっとふかくしりたいという熱意から生まれている。

ひらがながおおく、よみやすい質問がのったとき、
「お、なんだかわたしがかいたみたいな質問だな」とおもったら、
7歳の女の子からのメールだった。
わたしたちは、大きくなるのがたのしみです。大きくなったら、じぶんたちで本をかいにいきます。げんきで、また本をかいてください。

http://www.welluneednt.com/entry/2015/03/07/173100
これもまたこころにとどく、すばらしい手紙だ。

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posted by カルピス at 10:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | 村上春樹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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