日本はグループリーグでの試合とちがい、
パスがよくつながるし、シュートまでもっていける。
得点は2-1だったものの、安心してみていられた。
有吉が1点目をきめると、選手たちはほんとうにうれしそうな表情をみせてよろこびあっていた。
それだけ先取点がほしかったのだろうし、
チームワークのよさもみてとれる。
ネット上にあげられたある記事には
「有吉 川澄先輩と日体大の固い絆!おそろいヘアゴムも着用」
というのがあった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150625-00000085-spnannex-socc
タイトルそのままの内容で、
「ピッチ上でも同じアイテムをまとい、心はつながっていた」
のだそうだ。
すこしまえの記事には、
ケガで日本へかえった安藤選手へのおもいをこめた「シロクマ」が
ベンチにすわっているのが紹介されていた。
でも、そんな次元をこえたチームワークが、
このチームのもちあじだとわたしはおもう。
このチームは、仲間のために汗をかける選手がおおい。
オランダ戦では、大儀見のポストプレーがひかっていた。
自分でもシュートをはなつし、
べつの選手をいかせる場面では効果的なパスをだせる。
2点目につながる宮間へのヒールパスは、
この大会の大儀見を象徴していた。
ボールをキープし、機が熟したら 仲間にわたす。
得点の場面だけでなく、守備への貢献もたかい。
あぶない場面では、いつも大儀見が相手をつぶしにいき、自由にさせていなかった。
こんなプレーのつみかさねが 仲間から信頼をえるのだろう。
みていてたのもしい絶対的なエースだ。
2点目の得点シーンは、大儀見のヒールパスを宮間がマイナスにおりかえし、
岩渕はスルーして、阪口がゴールすみにボールをコントロールしてきめている。
すばらしい。
こんなにうつくしい連携からの得点はあまり記憶にない。
4人の役者がそれぞれ完璧に役を演じた。
さいごにシュートをきめた阪口は、岩渕に「スルー!」と指示をだしている。
自分のほうがいい体勢でけれるとおもったから、と阪口のコメントがのっていた。
自分がきめる自信がある、というよりも、
客観的に自分のほうが有利な場所にいる、という冷静な判断だ。
シュートをはずしたらどうしよう、というためらいはない。
自分がきめたいからではなく、
そのほうが確率がたかいからスルーを指示する。
もしシュートをはずしても、
阪口はわるぶれることなく 淡々とプレーをつづけただろう。
選手全員が、チームのためにプレーしている。
宮間もいつもながらすごい。
今回は、水分補給のときにみせた
さりげない「プレー」にしびれてしまった。
相手のコーナーキックをまつみじかい時間に、
宮間はまず仲間に水のボトルを手わたし、
その選手がのみおわると、もうひとりにわたし、
やっと3番めに自分がのんでいた。
こんなキャプテンがいたら、いうことをきかないわけにいかない。
意識のたかさがプレーに、そしてピッチ上のふるまいにあらわれている。
オランダは18歳のフォワード、ミーデマの評判がたかかったものの、
日本の守備陣は、けっきょくこわいプレーをさせなかった。
この日だけでなく、これまでの4試合がぜんぶ1点差で、
とくに終了間際に相手の猛攻をうけながら
なんとかしのいでいる。
アディショナルタイムにゴールキーパーの海堀が、
胸トラップからの「オウンゴール」をきめてしまったけど、
これはまあ、教訓としてつぎの試合にいかせればいい。
4年前のWカップ、対ドイツ戦をおもいだす。
この試合、日本代表はつぶされても つぶされても相手にまとわりつき、はしりつづける。
攻撃がうまくいかなくても、なんども愚直にくりかえす。
「なでしこ」といわれる献身的なプレースタイルは、
この試合によって だれもがみとめるものになったのではないか。
きれいにパスをまわすだけでなく、泥くさいまもりもふくめての「なでしこ」だ。
そうして、みているものを、おもわずファンにしてしまう。
オランダ戦は、そんな彼女たちのよさが、いたるところでピッチにあらわれた。
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