2015年09月26日

『1ポンドの福音』(高橋留美子) 異質なものをくみあわせるうまさ

『1ポンドの福音』(高橋留美子・小学館)

あたらしいアイデアは、
すでにあるもの同士の くみあわせなのだそうで、
まったく接点のなさそうなふたつをくみあわせると
意外性のせいか、たいていおもしろい。
『セーラ服と機関銃』みたいに。
『1ポンドの福音』も、ボクサーとシスターだから、
ふつうは関係なさそうなふたりだ。
このアイデアをおもいついた時点で、
半分くらい成功が約束されている。

もうひとつひねってあるのが
ボクサーなのに減量がへたという設定だ。
畑中耕作はまじめな顔をしながら
ランニングちゅうに ついラーメンをたべたりする。
ボクシングものは、ストイックな男たちのはなしがおおいなかで、
耕作は「迷える子羊」として
ノーテンキな性格と おうせな食欲から、まわりをうらぎりつづける。
試合ちゅう、うがい用の水をのみほしたり、
ボディにパンチをもらってはきだしたり
(胃袋にものがはいったまま試合するなんて、ありえないらしい)。

ボクシングマンガなので、とうぜん体重のはなしになる。
耕作はライト級でデビューし、
減量の失敗をくりかえしながら
ジュニアバンタム→バンタム→ジュニアフェザーときて、
いまでは57.15キロのフェザー級だ。
自分の体重がどのクラスにあてはまるのか気になって、
階級ごとの体重をたしかめる。
180センチ・63キロのわたしは、減量しなくても
ジュニアウェルター級でぴったりだ。
でもまあ、体重がおさまってればいいというものではなく、
やせぽっちのわたしがリングにあがったら、
かなり場ちがいな存在だろう。
それに、ウェルター級は選手層があついらしく、
すこしぐらいうでがながくたって、どうしようもない。
へんな気をおこさなくてよかった。

しぼりこんだボクサーのからだにあこがれるいっぽうで、
筋肉のよろいをまとったようなラグビー選手のからだもすごい。
たとえば五郎丸選手は185センチ99キロで、
ちかくでみたら きっと筋肉のかたまりだろう。
ほかの選手にしても、筋肉がもりあがり 血管がうきでていて、
自分のからだをうごかすというよりも、
ロボットをあやつっているようにみえる。
からだをうごかすたびに、
「ジャキーン!、ジャキーン!」と音がきこえてきそうだ。
ラグビーに特化すると、究極的にはああした体格になる。
筋肉はプロテクターみたいなものだ。
今回のラグビーWカップで、
ラグビー選手のかっこよさが ひろくしられるのではないか。
自分のからだを武器として発達させ、
スピードとスタミナと闘争心を、極限までにたかめた選手たち。

それぞれの競技に特化したからだはうつくしい。
わたしがいちばんすきなのは、
競泳の女子選手のからだつきだ。
肩幅があり、筋肉はやわらかそうで、
もちろんムダな肉はすこしもついてない。
ローティーンのときから
いちにちに1万メートルという練習を、何年もつづけた成果だ。
おとなになってから、ダイエットやトレーニングにとりくんでも
ああしたからだには絶対になれない。

ボクシングとまったく関係ないはなしになってしまった。
ボクシングとラグビーと競泳をかけあわせて
なにか接点をみつけられたら、
それこそがいいアイデアだ。

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posted by カルピス at 15:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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