自作カツ丼にかわるような いいアイデアはうかばず、
けっきょくやさぐれたまま いちにちをすごしてしまった。
ふて寝も2時間とばっちりだ。
あこがれのカツ丼にありつけなかった無念さは、
カツ丼でしかみたされないことがよくわかった。
あと一歩のところを 天気がくずれて
登頂をのがしたエベレスト登山隊は、
どうやって気もちをたてなおすのだろう。
しきりなおしのきょうは、しりあいとふたりで
10時半からイネかりにとりかかった。
もちろん機械ではなくカマをつかう。
きのうからきゅうにさむくなり、フリースをだしている。
夏にちかい秋だったのが、もうすぐ冬になりそうな秋へとかわった。
もうまわりの田んぼでイネかりをしているところはほとんどない。
はだざむく、いまにも雨がふりそうな空を
気にしながらのイネかりは、
よろこびの収穫というよりも、なんだか罰ゲームみたいだ。
ふつうの田んぼは、イネだけがはえているからこそ
カマをつかいやすいけれど、
わたしの田んぼはイネのしたに草がびっしりそだっており、
イネだけをかりとるのがむつかしい。
草をよけようとすると、かなりめんどうなのがわかった。
場所によっては 1本いっぽんの穂をきりとるやり方になる。
それでも2時間半で半分くらいイネかりがおわった。
かりにくいといいながら、
たった2時間半でそんなに仕事がすすむのは、
それだけイネの数がすくないからだ。
お米をそだてるものにとって、イネかりは
いちばんのイベントなのではないか。
まだ脱穀やもみすりがまっているとはいえ、
イネかりといえば みのりの秋の象徴であり、
春からの仕事がやっとむくわれるときだ。
でも、じっさいにイネかりをしていいると、
もうひとつはれやかな気もちになれない。
たしかにかりとりまでたどりついたけど、
はたしてどれだけの量を収穫として記録できるだろうか。
自然農法でそだてたイネは、
化学肥料や農薬にまもられた軟弱なイネとはちがい、
たくましくそだってほしかったけど、
今年の段階では まだそこまでいけなかった。
イネの枝わかれである分げつがいかにもすくない。
水温がひくいことからくる生育障害のせいだろう。
病気や虫にやられずに、台風にもたおれずここまでこれたのも
たまたま運がよかったとしかいえない。
今年の米ずくりで、なにがよくてなにがわるかったかを
しっかりまとめて来年にいかしたい。
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