2015年11月09日

ピピのよだれに胸をあつくする

ピピをひざにのせたまましばらくパソコンにむかう。
お昼ごはんの時間になったので、
ピピをそっともちあげて、イスのうえにおろす。
わたしのズボンにしみができている。
爆睡していたピピが、よだれをこぼしていた。

ちなみによだれのことを出雲弁で「ごぼず」という。
ディープな地域では、これがさらに「ごぼぢ」となる。
ピピのはよだれというよりも、
この「ごぼぢ」がしっくりくるけれど、
なんのことかわからなくなるので、
ここでは「よだれ」としてはなしをすすめる。

ズボンがぬれたので、そこだけひんやりとつめたい。
ピピは口内炎をわずらっているため口臭がきつく、
したがってよだれもかなりつよいにおいがする。
でも、わたしはわるい気がしなかった。
こんなシミをつけてくれるピピをいとおしくおもい、
さらにいえばしあわせをかんじた。

家でかわれるネコのかずが、
もうすぐ犬をぬいて多数派になりそうだと、
すこしまえの新聞にかいてあった。
かいぬしの高齢化から、散歩やしつけの手間がかからない
ネコをえらぶひとがふえているらしい。
けれど、たくさんのネコずきがいるなかで、
どれだけのひとがネコによだれをつけてもらえるだろう
(ピピが病気なだけだけど)。
ピピはそれほど安心しきってわたしのひざのうえでまるくなり、
おおきなシミができるほど ふかいねむりをむさぼった。
昼ごはんをたべてるあいだじゅう
ズボンからたちのぼってくる よだれのにおいをかいでいると、
胸があたたかくなってきた。

どんなときにしあわせをかんじたかは、
あんがいこたえにくい。
高価なものが必要なわけではなく、
全体の雰囲気がカギになりそうだ。
ちいさなころ、お母さんが夕ごはんの声をかけてくれたとき、
なんていうひともいた。
さんまさんの「ポン酢醤油」のように、
ふだんは気づかない ささやかなものがおおいかもしれない。
ピピのよだれは おもいがけずわたしに
しあわせなひとときをもたらしてくれた。

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posted by カルピス at 11:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | ネコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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