2016年03月19日

アフリカ戦線のプラモデルをつくっていたあのころ

利用者のおでかけにつきそって
イオンのおもちゃ売場をまわったら、
戦車や戦艦のプラモデルがかざってあった。
いまでも軍事もののプラモデルは
人気をたもっているみたいだ。
日本の戦艦にドイツの戦車。
どちらも第二次世界大戦ちゅうのものだ。
おおくの兵器がこれまでにうまれてきたなかで、
人気があるのは あいかわらず第二次世界大戦というのははぜか。
この期間につくられた兵器には、
デザインや完成度において、
なにかひとびとのこころをかきたてるものが
あるにちがいない。

わたしも小学生のころは、
第二次世界大戦のドイツ陸軍を専門とする
プラモデルずきの少年だった。
平和をねがいながら兵器にロマンをかんじるのは、
矛盾した感情とおもいつつ、戦車づくりがやめられない。
第二次世界大戦といっても、東部戦線はソ連と、
西部戦線はイギリスとアメリカが相手であり、
つかわれた車輌も若干ちがってくる。
わたしはロンメル将軍ひきいるアフリカ戦線がすきで、
つくった戦車はぜんぶライトカーキーにぬりあげたものだ。

第二次世界大戦は、
戦車がもっとも戦車らしい時代だったのかもしれない。
おおきな鉄のかたまりが、
キャラキャラとキャタピラーの音をひびかさせながら
のしのしとすすんでくる。
それまでの戦車はまだ開発途上で、兵器としてこなれていない。
第二次世界大戦がおわってからの戦車は、
こんどは発達しすぎてしまい まるでかわいげがなくなった。
装甲車なみのスピードをたもちながら
はしったまま大砲をうつなんて、いきすぎた性能であり、
戦車としての魅力をうしなっている。

有名なタイガー戦車は、
連合軍を恐怖のどん底につきおとした、
なんてよくかかれているけれど、
生産台数はT型とU型をあわせても 2000両ほどで、
ドイツ全体の1割にもたっしていなかったという。
『戦場のコックたち』(深緑野分)は、
タイガー戦車ではなくパンターや突撃砲にひかりをあてている。
じっさいのたたかいにそくしており、
リアリティをもたせる意味でもうまい選択だ。
88ミリ対戦車砲もでてきた。
精密な機械としてのうつくしさと、
兵器としてのなみはずれた威力に
胸をときめかしてプラモデルをつくったころをおもいだす。
歴史や地理についてのわたしの知識は、
タミヤのミニタリーシリーズを基礎としている。

宮崎駿さんが、戦車にはその国の国民性があらわれる、
というようなことをかいておられた。
ガソリンをいれておけば
故障なくうごいてくれるのがアメリカの戦車で、
ドイツのタイガー戦車は精密すぎて、
こわれるようにできているらしい。
イタリヤの戦車は いかにもイタリヤだし、
日本の戦車にはぜったいにのりたくないとおもうほど、
なかにはいる兵士のことが かんがえられていない。
あのちゃちな車体にもぐりこみ、
シャーマン戦車とむきあった日本の戦車兵は、
自分の国の軍隊をうらんだにちがいない。

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posted by カルピス at 22:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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