2016年03月22日

『地球バス紀行』をみるときの注意点

前回の『地球バス紀行』はラオスが舞台だった。
ビエンチャン→バンビエン→ルアンプラバンをめぐる
よくしられているルートで、
ラオスをまわる旅行者のあいだでは 鉄板といっていい。

わたしがこのまえの旅行でまわった町ばかりなので
なつかしさもあり たのしみにしていた。
でも、みていると、なんだかようすがちがう。
3つの町とも 外国人旅行者がものすごくたくさんいたのに、
番組では、ほとんど地元のひとしかうつらない。
番組のコンセプトが、旅さきの日常を、
わざとらしくないように(わざとらしいけど)紹介する点にあり、
原則として旅行者はウサさんひとりであり、
現地のひとにかこまれて、旅さきでのひとときをすごす。

タイの北部をめぐるときもそうだった。
旅行客だらけの町をたずねながら、
外国人(とくに欧米からの旅行者)は 画面にうつらない。
番組でみる町と、わたしが旅行したときの町とでは
うける印象がずいぶんちがった。
観光客がまわらないところをとりあげたり、
ローカルバスをのりつぐのだから、
地元のひとにかこまれるのも当然か、と
はじめはおもっていたけど、
どうも そればかりが理由でないようだ。

たずねる側にとっては非日常のできごとでも、
おとずれたさきでは、現地のひとたちが
いつもの日常生活をおくっている、
というたてまえを この番組は注意ぶかくまもっている。
そのため 地元のひとが、
自分の国を観光しているという状況がよく登場し、
やすみを利用して観光地をたずねたり、
自分のうまれた町にもどったりするひとから
はなしをききだしている。
きっと、それこそが いかにも現地の日常だからだ。

わたしがいってみたい場所を、番組がとりあげるときは要注意だ。
あこがれの土地を、さいしょにテレビでみてしまうのは
旅行のたのしみからいって あまりいいことではない。
ピレネー山脈をこえるバス旅行のときは、
想像していた山のようすとずいぶんちがうのにおどろいたけど、
これなんかは、じっさいにたずねてみて
想像と実際のずれを体験したかった。

次回の番組は、ブータンでのバス旅行をとりあげる。
いつかいってみたい国、ブータン。
みたい気もするし、みないほうがいいような気もして、
録画をためらっている。
ほかの番組は、旅行のスタイルが
わたしとはっきりちがうので、
こんな心配をしたことがない。
『地球バス紀行』は、わたしがするかもしれない旅行を
さきどりされるから たのしみでもあり、問題でもある。
安心してみられるのは、わたしが興味・関心をもっておらず、
まったく予備知識のない町をめぐるときで、
なにもしらないほど、番組からの風景が新鮮にうつる。
スコットランドをとりあげたときがそうだった。
旅行者が、旅さきの日常にすんなりとけこみ、
さりげなく町をたずねるようすがここちよかったけど、
そんなにうらやましくはない。
『地球バス紀行』は、しらない町をめぐる旅がおすすめだ。

スポンサードリンク



posted by カルピス at 22:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | 旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック