無難な話題なのだろう、なんとなくスマホのはなしをふられた。
40代後半の店長さん(女性)は、2年ほどまえ スマホにかえたそうだ。
わたしはずっとまえからスマホをつかっていたような顔で
中高年者のスマホ環境について、
わかったような顔をしながら あいづちをうつ。
店長さんがいわれるには、
スマホにしたものの、携帯のときのほうが
つかいこなしていた気がするそうだ。
まえには音楽をダウンロードして、
着信の曲を ひとによってかえたりしていたのに、
スマホではやり方がわからないという。
スケジュール管理をしても、
予定をしらせるアラームの設定ができないそうだ。
検索でしらべたらどうですか?とたずねると、
すべてが漠然としており、なにがなんだかよくわからないらしい。
スマホにかえてから2週間がたちながら、
あいかわらず通話にしかつかわないわたしは、
その通話さえスムーズにこなせないので、
店長さんの気もちがすごくよくわかる。
そうですね、スマホってやっかいですよね、
パソコンのほうがずっとあつかいやすい、とわたしが本音をもらすと、
店長さんはパソコンが家になかったので、
パソコンのよさはよくわからないといわれた。
わたしは、自分専用のパソコンとまではいかなくても、
1台くらいのパソコンが、たいていの家には あるのかとおもっていた。
どうも、パソコンはそこまで一般的な存在ではなく、
だからこそ スマホがこんなにもきゅうにひろまったようだ。
わかい職員にきいてみても、スマホはあっても
パソコンはもっていないのが あたりまえだ。
ネット社会は、パソコン時代は ほんとうのはじまりとはいえず、
スマホの登場によって、いっきに火がついた。
だれもかれもがネットにつながるようになったのは、
スマホが登場してからだ。
ネットにつながるまでのパソコンは、
どんなつかわれかたをしていたかというと、
ただの事務機だった。
人間のかわりに面倒な計算や作図をひきうけてくれた。
いままた パソコンは 事務機としての役割にもどり、
ひととひととをつなぐSNSは、
スマホを前提としたしくみとしてひろまっている。
そうしたスマホの存在意義をいかせないわたしは、
ネットをのぞくのはパソコンにたより、
スマホは携帯のかわりでしかない。
あるべき場所が、ひとつずつ ずれている。
でも、そのおかげで、髪をきってもらいながら
話題にこまらなくなった。
同世代のひととはなしていても、
スマホにつまずいているはなしをすると
ひとまず会話が成立する。
こういうのも 中高年者にむけた スマホの利用法のひとつだ。
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