http://nuca.jp/
古民家を改造したそうひろくない家に、
20人(登録は43人)の方がかよっておられる。
「ぬか」のとりくみは、創作活動をとおして、
そのひとらしく くらせる場所をつくろうというものだ。
代表の中野さんに「ぬか」の基本的なかんがえをはなしていただき、
シェフのつくるすばらしいひるごはん
(とろろめん・きゅうりの塩レモンあえ・サワラのやきもの、
そしてめちゃくちゃおしゃれなデザート)をあじわったあと、
じっさいの活動をみさせてもらった。
シェフの料理は「ぬか」の自慢のひとつで、
給食の域をこえた「ランチ」として、
ぬかびとたちとお客さんをワクワクさせている。
おうちにあがらせてもらうと、
ほかの事業所だったら「重度」とよばれそうな
障害をもったぬかびとたちが、
あたりまえのお客さんとして わたしたちをむかえてくれた。
けしてひろくない家に、9名もの見学者がおとずれたら、
うけいれる側はたいへんだ。
お客がとくいでないひともいるだろうし、
ざわついた雰囲気となり おちついて仕事にとりくめない。
でも、ぬかびとたちは ごく自然にわたしたちをまねきいれ、
自分たちの活動を紹介してくれた。
どれだけたのしめるかを大切にしていると
中野さんがはなされる。
なんでもありなのだそうだ。
かならずしもアート活動でなくても、
おでかけだったり、かいものだったりする。
ただし、なんとなくのかいものにはおわらず、
たとえば「おしゃれ計画」といった、
「ぬか」的なあそびが かならずからめられている。
なかには「ぬか」にきて ただよこになり、
ごはんをたべてかえるひともおられるという。
自由をくちにするのはかんたんだけど、
「ぬか」ほどすきなことだけ すればいい場所を
わたしは はじめてみた。
すきなことをしていいよと、ほうりだすのではなく、
スタッフがこまかなところまで 目くばりをおこたらないからこそ、
ぬかびとたちは、すきで得意な活動に、安心して没頭できる。
スタッフがぬかびとたちのちからを じょうずにひきだしている。
「宇宙的かき氷」
「世界的コスプレ大会」
など、過激なまでの刺激的なネーミングが
あそびごころいっぱいのとりくみをあらわしている。
「ぬか」のひとたちは、基本的にコスプレがすきなのだそうで、
きょう見学におとずれたときも、
金色の衣装とアフロヘアーでギターをひいているスタッフがおられた。
「あつくないですか?」とたずねると、
夏バージョンの衣装なので大丈夫なのだそうだ。
わたしたちのためにその衣装をきてくれたわけではなく、
日常的にそうやってあそびまくる姿勢がしみついている。
そうした雰囲気が、ぬかびとたちの笑顔をひきだしていく。
「ぬかびと」とは、「ぬか」にかよってくる利用者のことだ。
「利用者」という、いかにも福祉的でよそよそしいことばをきらい、
「ぬかびと」とよぶことで、ただ事業所を利用するひとではなく
もっと主体的な存在だという「ぬか」の理念がつたわってくる。
ふだんわたしは、やりたくない、うごきたくないというひとを
どうやってその気にさせるか ばかりをかんがえ、
ときにはむりやりにでも
みんなとおなじ活動につくようもとめている。
「ぬか」のとりくみをみていると、
自分がいかにレベルのひくい「支援者」かを おもいしらされた。
仕事ばかりが活動ではないのに、たのしむことをわすれ、
かたちばかりをだいじにする つまらない職員でしかない。
こだわりを、そのひとにしか表現できないつよみだとみなおせば、
たくさんの芸達者にかこまれているのに気づく。
わたしがすがってきた常識を、
ぬかびとたちはかるがるとクリアーし、
みごとに生活をたのしんでいる。
「ぬか」には福祉的なにおいがまったくなく、
創造的で自由な精神にあふれている。
生活は、こんなに自由なんだと、
ぬかびとたちに衝撃をうけた。
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昨日は島根からありがとうございました。
またご一緒に何かできれば幸いです。
またこだまへ帰省します。
ありがとうございました。
きのうはお世話になりました。
こいけさんのおかげで「ぬか」をたずねることができ
とても刺激的な体験となりました。
もっとやわらかな頭で
たのしい活動にとりくみたいとおもいます。
ありがとうございました。