2016年05月24日

畑でとれた ものすごくちいさなタマネギ

畑にうえたタマネギに、ネギ坊主ができてきた。
いわゆるトウがたった状態なので、
ほっておくとかたくなるから、はやくたべたほうがいいよ、と
しりあいにいわれた。
おおきそうな いくつかをぬいてみる。

土のうえに顔をだしている部分をみて、
ちいさなタマネギしかできていないのはわかっていたけど、
ぬいてみると ほんとうにちいさい。
タマネギにみえないくらい ちいさい。
このまえラジオをきいていたら、
ゴルフボールくらいにしかそだたない品種のタマネギがあり、
とてもたかい値段がついているのだそうだ。
包丁をいれなくても、そのままシチューなどにつかえるので、
あつかいやすいという。
わたしのタマネギは、ゴルフボールまでもいかない。
ニンニクよりも、ラッキョウよりもちいさい。
タマネギ.jpg
野菜もお米とおなじように、自然農法でそだてている。
土をたがやさず、肥料をやってないし、草もほとんどとってない。
おおきな野菜がそだたなくても、
できたものをありがたくいただけばいい、
なんてもっともらしい「理念」をとなえていたけど、
さすがにこのタマネギにはトホホとなった。
ふつうのタマネギとおなじだけの栄養が、
ぎゅっとつまっていたらいいけど、
きっと ただちいさいだけだ。

わたしがそだてるほかの野菜も、お店でうれているものより
はるかにちいさいものしかできないとはいえ、
タマネギのちいささは衝撃的だ。
ニンジンだって、大根だって、
ちいさいなりに野菜のすがたをしていたのに、
タマネギだけなぜ こんなにそだたないのかわからない。
11月にうえた苗は、たしかにものすごくほそかった。
でも それは、ほかのひとの畑もいっしょだ。
そこからのそだち方で、これだけ差がつくとは、
よほど手あつい管理をタマネギはもとめるのだろう。
わたしのタマネギは、なにをおもって成長するのをあきらめたのか。

シチューにいれてみる。
シチューくらいにしかつかえない おおきさだから。
トウがたってたわりには やわらかい実だ。
あまりにもちいさいので、すぐにノドをこえてしまい、
どんな味だったかつかめない。
スーパーでうられている「ふつうの」タマネギは、
ものすごく肥満してしまった いびつな形にちがいないと、
まけおしみする。
どうしたらあんなにおおきくそだつのか。
野性のタマネギに品種改良をくわえるうちに、
いまのようにおおきくそだつタマネギができあがったのだろうけど、
いくら肥料をやってないからといって、
いっきょに野性時代のすがたを おもいだしてしまうものなのだろうか。
いつもお店でうっている、あつかいやすい野菜だとおもっていたのに、
いいかげんな自然農法では、
タマネギの野性をすぐによびもどすことがわかった。
自然にはえていたちいさなタマネギを、
おおむかしの人類は よく食糧としてえらびだしたものだ。
この植物は、手をかけてそだてればおおきくなるとみぬき、
根気よくそだてつづけたホモ=サピエンスの苦労が、
たった一年、ほったらかしにしたらもとにもどるというのもすごい。
タマネギのつよい野性に拍手をおくる(わけない)。

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posted by カルピス at 06:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 農的生活 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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