空前のネコブームといわれ、
イヌとほぼおなじ1000万匹ちかくのネコが
日本でかわれているという。
たま駅長やたくさんの猫グッズ、ネコを専門にあつかう雑誌など、
日本ならではの現象が紹介されている
(『ねこ自身』という雑誌名がおかしかった)。
なぜそんなにネコがかわれるようになったかについて、
よく、ネコはかいやすいからといわれるけど、ほんとうだろうか。
相対的にみれば、散歩しなくてもいいぶん、
たしかにイヌよりは手がかからないかもしれないけど、
ネコだってそんなにかんたんではない。
年おいて、からだが自由にうごかなくなったネコは、
とうぜん人間とおなじような症状がでてくる。
いろんなところでおしっこをしたり、
ながく病気をわずらったりすると、
「かわいい」だけではやっていけないし、
もちろんお金だってかかる。
しあわせにくらしているネコが どれだけいるのか
気になるところだ。
ネコブームだといわれながら、
ネコとのつきあい方について あまり目にしない。
ネコがすきなこと、ネコにしてはいけないことを、
いっしょにくらす人間がしってないと おたがいにたのしくない。
ネコとくらす醍醐味は、ネコっかわいがりにあり、
どうやって「かわいい!」をつたえたら
ネコがよろこんでくれるかを、
もっと紹介したらいいのにとおもう。
ネコは、ネコっかわいがりするからネコになるのだ。
かわいいねー、おりこうだねーと、
めちゃくちゃほめちぎり、ハグハグする。
ネコっかわいがりこそが、
きわめて日本的なネコとのつきあい方ではないだろうか。
とはいえ、ひとがネコを溺愛するすがたは、
あまりみたいとはおもわないけど。
わたしがネコを家につれてかえるのは、
たまたまであった子ネコを
ほっておけなくなったときだ。
おなかをすかせたり、さみしくてないてる子ネコをみかけたら、
胸がいっぱいになり、とてもそのままにしておけない。
おおいときで3匹、すくなくても1匹のネコが、
とぎれることなく家にいる。
これまでに2ど、ネコの出産にたちあった。
村上春樹さんがかっていたネコは、
出産ちゅう、村上さんにからだをあずけ、手をにぎらせたという。
わたしのネコも、手まではもとめなかったけど、
そばにいてほしいと あまえた声でないた。
といって、わたしにできることなどなにもない。
たよりないお父さんになった気分をあじわった。
2時間ほどかけて 5匹の子ネコをうみおえたときは、
わたしもヘトヘトになった。
もう10年以上、身よりのない子ネコにであわない。
神さまがアレンジして、ネコのいきさきをきめているとしたら、
なにか意味のある空白の10年なのだろう。
2年まえに10歳のオスネコが急病で死に、
いまは年おいたピピ(14歳)の介護がわたしの役割だ。
わたしの寿命のほうが、ネコよりもみじかかったらたいへんなので、
このさきそんなにたくさんのネコとはつきあえない。
ピピにはわるいけど、子ネコが家にきたら、
グチャグチャにかわいがって
濃密なコミュニケーションをたのしみたい。
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