「ものすごく(自分のからだが)コントロールできてない」
という「発見」におどろいた。
http://yaginome.jp/?p=905
なんのことかというと、
「身体を思った通り動かせるとスポーツが上達する」
と、あるタレントのはなしをきっかけに、
自分のからだのコントロールについて林さんがかんがえはじめる。
たしかに仕事でダンスをしたときに、
「まったく身体が思った通りに動かなかった」
経験が林さんにはあり、なるほどといったんは納得する。
林さんのおもしろさは、
そこから発想を一挙に飛躍させるところだ。
今回は、おもったとおりうごかせないのは、からだだけではない、
という方向へ概念を拡大させている。
スポーツだけでなく、歌をうたったり、
絵をかくときにうまくいかないのも、
おもったとおりからだをコントロールできないからではないかと、
林さんはあらぬ方向へはなしをすすめる。
さらに「痩せるとか早起きみたいな習慣的なこと」も
うまくいかないのは、からだをコントロールできないからだと、
さらにはなれた場所へ発想をもっていく。
仕事があるのにビールをのんでしまうのも、
ビールをのみながら つまみの笹かまに意識がうつってしまうのも、
ぜんぶ自分のからだをコントロールできてないからだ。
ようするに、
たいていの場合、身体が思った通りに動いてない。そして
むしろ他のものがコントロールしてるのではないかと思うぐらいだ。と、はじめの気づきが、
さいごにはありえない場所にとんでしまっている。
ありきたりで なんということのない事実を、
ほかの条件といれかえていじくるうちに、
かくれていたおもいがけない本質が顔をみせる。
アイデアづくりは異質なものをくみあわせる、
とよくいわれているけれど、
林さんの発想はそれともすこしちがう。
くみあわせというよりも、
観察でえた気づきをありえない方向へ
拡大解釈させていくのが特徴だ。
「身体を思った通り動かせるとスポーツが上達する」は
あたりまえだけど、
「他のものが(自分を)コントロールしてるのではないか」は
発見だ。
わたしも、自分のからだやあたまを、
自分でコントロールしていると おもえないことがよくあるのに、
真理の発見にはつなげられなかった。
林さんをたかく評価するゆえんである。
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