2016年09月20日

NHKスペシャルでとりあげていた健康格差

NHKスペシャルで、健康格差をとりあげていた。
収入やすんでいる地域によって、
健康に差がうまれるという。
常勤の仕事につかなければ健康診断をうけにくいし、
病気でやすむと すぐに首をきられそうなので、
どうしてもムリをしてはたらきがちになる。
血圧に気をつけましょう、
糖尿病に気をつけましょう、
野菜をたべましょう、
定期的に運動を、なんて行政がよびかけたたところで、
ターゲットになるひとにはとどきにくい。

東京都足立区のとりくみ
「健康になろうとおもわなくても
 しらないあいだに健康になるしくみ」
が興味ぶかかった。
足立区は、糖尿病患者がおおい地域で、
これまでいくらよびかけても 受診してもらえなかった。
足立区の職員が、飲食店にあることをおねがいしてまわったら、
その効果がはっきり数字にあらわれたのだそうだ。
それは、何品かの注文があったときに、
野菜をつかった料理をさきにお客さんへとどけること。
炭水化物をたべたときに血糖値があがるのを
野菜の繊維質が、30%おさえてくれるという。
健康を意識してもらおうとしても
なかなかうまくいかないので、
「健康になろうとおもわなくても しらないあいだに」
という発想がおもしろい。
とはいえ、ある面ではおせっかいともいえる。

健康は個人の責任、という意識がつよいなか、
番組では社会問題としてとらえようとしていた。
おおくのひとが生活習慣病を悪化させて医療費を
おおくつかうようになれば、
「健康は個人の責任で」
とかんがえるひとがもしも病気になったとき、
すでに医療や介護が破綻しているかもしれない。
社会問題としての健康とは、そいいう意味だ。

健康をたもつには、社会とつながることが大切という
武富市のとりくみが紹介された。
武富市では、だれもが参加しやすいサロンを
市内のいろんな場所でひらいている。
家にとじこもりがちなひとは、要介護の対象となりやすく、
つながるちからが 健康格差をちいさくする鍵だという。
わたしもおそらくそうしたサロンには
参加しにくいタイプだ。
家にとじこもって すきな本をながめていたい。
わたしには、孤独死がまっている気がしてきた。

こうしたサロンにでかけてくるのは 女性のほうが圧倒的におおい。
男性をひっぱりだすには、役わりをあたえること、といっていた。
わたしがことしからかかわるようになった地区の自治会は、
役員のほとんどを男性がしめている。
役をあたえておけば、男の顔がたつというのはたしかだけど、
女性たちはつまらなくないだろうか。
男って、ほんとにめんどくさい生きものだ。

こんなことをいいだしたら
健康についてのはなしをぜんぶぶちこわしてしまうけど、
どれだけ健康をたもったところで
いつまでも生きられるわけではない。
減塩したら やすらかに死ねるのならいいけど、
どっちみちなんらかの形で死がせまってくる。
死ぬまで できるだけ健康に、という意味はみとめるけど、
それにしたって限度がある。
長寿社会になったのとひきかえに、
人類はややこしい問題をかかえこんでしまった。
たすかる可能性のある命に、どれだけお金をかけられるか。
国や自治体が健康にちからをいれるのは、
健康なほうがやすくつくからだ。
こうした番組がとりあげる「健康」は、
本人の尊厳というよりも、なにがなんでも「健康」に、
みたいなところがあって どこかすこしずれているとおもう。
ヒューマニズムだけでは おそらく解決がつかない。

スポンサードリンク



posted by カルピス at 22:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 健康 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック