車でラジオ番組をきいていると、
若手のバンドが自己紹介をしたあとで(録音)、
彼らの曲がながれてくるコーナーによく時間がかさなる。
まったくのペーペーではないにしろ、
そこまで有名ではないバンド
(わたしがしっているバンドは、いちども登場したことがない)。
わたしが名前をしらないだけで、
そこそこファンがついているグループもあるみたいだけど、
それにしても「メジャー」とはよべないレベルではないか。
わたしにしてみれば、どの曲もにたりよったりで、
ほとんどグッとくることはないけれど、
たくさんのグループが、メジャーデビューをめざして
ライブやアルバムづくりにうちこんでいるのにおどろいている。
彼らは自分の生きかたとして、音楽をえらんだひとたちだ。
芽をだすのは、だれがかんがえてもむつかしそうなのに、
就活などしないで、自分たちの音楽センスにかけた。
夢をおいもとめる、というとかっこよくきこえるけど、
じっさいにバイトでくいつないだり、
ビンボー生活にたえて音楽をつづけるのは
そうかんたんな人生ではないはずだ。
親や学校の先生はとめただろうに、
それでも音楽をつづけずにおれなかった
彼らの「青春」に、陰ながら拍手をおくっている。
日がわりのコーナーで毎日紹介しても、
きいたことのない名前ばかりがならぶほど、
音楽をやりながらも、まだそれほど有名でないバンドが
こんなにたくさん活動しているのだ。
おなじような意味で、マンガ家や小説家をめざしたり、
演劇にうちこんでいるわかもの
(もうあまりわかくはないひとたちもふくめ)や、
スポーツで人生をきりひらこうとするひとたちもいる。
冒頭にかいたラジオ番組では、
自己紹介にからめて「ガッツのみなもと」を
それぞれがかたっている。
お客さんのよろこぶすがた、という正統派がいれば、
お肉とかお米とか、
文字どおりエネルギーの「みなもと」にふれるひともいる。
ふかくかんがえているひとや、きわめてチャラいひとも。
彼らのはなしをきいていると、わかさのいきおいだけで
いまの活動をつづけているみたいだ。
それができるのも、わかいからであり、
けしてかるくてつまらないとはおもわない。
数年後にどれだけのグループが生きのこっているだろうか。
それでも手をぬかないでつづけていけば、
きっとなにかがひらけるから、と応援したくなる。
たとえながくはつづかなくても、一生懸命に生きた時間は
貴重な財産になるだろう。
もしもむすこが音楽や演劇をやりたいといいだしたら、
たべていくむつかしさをおもいながらも、
わたしには、自分の責任でしっかりやれ、としかいえない。
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