2016年11月18日

林雄司さんの「事実なんて書くな」

自由ポータルZへのコメントで、
林雄司さんがウェブ記事をかくコツについてのべている。
http://portal.nifty.com/cs/fpz/detail/161111198040/1.htm
先日、大学生にウェブ記事の書きかたを教える機会がありました。事実なんて書くな、タイトルは情報でも自分の話を無理やり入れろ、工作が失敗したら落胆を描いてエッセイにしろ、などのテクニックを伝授してきました。
あとから聞いたのですが、その前の講師と言ったことが真逆だったらしいです。

「事実なんて書くな」がおもしろい。
わたしが文章をかくときに気をつけるのは、
わかりやすさはもちろんとして、
「事実をかく」
「ウソはかかない」
がある。
おなじみたいだけど、わたしのなかではビミョーにべつのことだ。
「事実をかく」は、やってないことをかかない。
「ウソはかかない」は、おもってもないことを
もっともらしくかかない、という意味をこめている。
ウケをねらったおおげさな表現は なんとしてもさけたい。

林さんがいう「事実なんて書くな」は、
よむひとをひきつけるためなら なんでもとりいれろ、
という意味ではないか。
事実を淡々とのべていては、
たとえ正確な事実であっても よむひとを退屈させる。
どうやってよむひとを こちらの土俵にひきずりこむかについて、
過激な表現であらわしたのだとおもう。
講義でこんなに刺激的ないい方をされたら、
きいている学生たちはきき耳をたてるにちがいない。

サッカーずきなわたしは、代表戦があると
いろんな記事をネットでさがしてよむ。
活字でも信頼できる記事ならよみたいので、
以前は『サッカー批評』をかっていた
(いまは製作会社がかわり、つまらなくなったので かうのをやめた)。
スポーツ誌では「Number」がよくサッカーの特集をくむけれど、
いくらサッカーについての記事がおおいとはいえ、
この雑誌に独特の文体が気になるのでかわない。
なんとなくもったいぶっているというか、
ちいさなことをつつきまわすセコさが鼻につく。
「Number」がすきになれないのは、
林さんのいう「事実なんて書くな」と関係しているのではないか。
よむひとをおもしろがらせるサービス精神が、
「Number」の記事にはかけている。
うえから目線のかき方がどことなくエリートくさく、
よんでもらう文章になっていない。

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posted by カルピス at 21:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 林雄司 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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