『熊を放つ』をひっぱりだしてよみかえす。
映画『アンダーグラウンド』をみていたら、
この本がよみたくなった。
理由ははっきりしている。
映画の冒頭で、動物園がドイツ軍の空襲にあい、
動物たちがオリからぬけだして そこらじゅうをあるきまわる。
もうひとつは、ユーゴスラビアが舞台だったこと。
『熊を放つ』もたしかユーゴに関係するはなしだった。
そして、ラストでは動物園の動物たちが「開放」されたはずだ。
よみかえしてみると、ものがたりがかたられて間がないころ、
ジギーが
「良き習慣は熱狂的に維持する必要がある」
とメモし、
このことばはのちに
「良き習慣は狂信的になされるだけの価値がある」
と手なおしされる。
ちょっとしたおもいつきを極端にあらわしただけだと
まえはあまり気にとめなかったけど、
中年になったいまよむと、
とても大切なことばなのがわかる。
まだ20歳そこそこだったジギーが、
なぜこの真理に気づいたのか不思議だ。
しばらく歯医者さんにいってなかったので、
整備点検のつもりでみてもらったら歯石がだいぶついていた。
年をとると、歯ブラシだけではよごれがおちにくくなるので、
糸ようじもつかってくださいといわれる。
3年まえにもおなじ注意をうけたのに、
めんどくさいので歯ブラシだけですませてきた。
めんどくさいからといって、
やらなければならないことをはぶいたら、
年をとったときに たかいツケをはらわないといけなくなる。
時間をかけて ていねいに歯をみがいたり、
昼ごはんのあとの歯みがきを
めんどくさくてやらない日がおおかったけど、
まさしくジギーがいったとおり、
「良き習慣は熱狂的に維持する必要がある」。
習慣にするまで、そして習慣になってからもつづけないと、
ツケをはらうのはけっきょく自分だ。
連続100回をめざし、まいにちうでたてふせをしている。
いまはまだ80回しかできない。
朝でも、夜ねるまえでも、とにかくいちにちにいちど、
80回うでたてふせをする。
それにあわせ、きょねんの12月から
ヒンズースクワット300回にもとりくんでいる。
それと腹筋をすこし。
椎名誠さんが、うでたて・スクワット・腹筋などを
30代のころから毎日かかさない、とかいており、
ときどきマネしていたのを いまは意識して習慣にしようとしている。
「熱狂的に維持」すれば、70歳になったら
たっぷり利子がついた財産として かえってくるのではないか。
「人生はトータル」と、オシムさんがいっていた。
健康も人間関係も家族も、そのひとの一生は、
どんな習慣をつづけてきたかが、さいごにトータルとしてとわれる。
ジギーのように、わかいころ気づけばよかったけど、
わたしは いまからでも意識して「習慣」にするしかない。
ジギーはたくさんのハチにさされ、わかくして死んでしまった。
年をとればとったなりの問題がでてくるのとはまたべつに、
わかいころは わかさゆえのあやうさをかかえた時期だ。
あとさきをかんがえないあやうさが 中年にはまぶしい。
習慣だの健康だのとはまだ縁どおい青春期。
年をとると 青春をあつかった本や映画に ふたたびひかれる。
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