朝日新聞に連載されており、
どちらもはなしが完結したので 1月ちゅうに単行本として出版される。
おふたりは、なんねんかまえの芥川賞を
いっしょに受賞して話題になった。
わたしはまだおふたりの作品にふれたことがなく、
新聞の連載が、はじめてよむ機会となった。
同時受賞の印象がつよく、そしてよんでいないため、
おふたりの名前と作品を すぐにわすれてしまう。
『蹴りたい背中』をかいたのはどっちだっけ?
『インストール』はだれの作品だ?
(どっちも綿矢りさ氏だった)。
朝日新聞に連載されたのは、
綿矢氏が『わたしをくいとめて』で、
日曜日に1ページをまるごとつかって 小説がのる形式だった。
金原ひとみ氏の作品は『クラウドガール』で、
こちらはふつうの連載小説のように 毎日のっていた。
『わたしをくいとめて』は、
企業ではたらく30代、未婚の女性が主人公で、
ひとりでいごこちよく くらしている。
恋愛したいけど、どうしても、というほどではなく、
なかなかもう一歩をふみだせない。
小説にでてくる比喩が独特で、たとえば
三島由紀夫が克明に描写したがりそうな外見をしている
といういい方をおもしろろいとおもったし、
小説全体にもいい印象をもった。
こころのおくを、じょうずに表現する作家だ。
金原ひとみ氏は『クラウドガール』の連載にあたり、
SNSでつながるわかものたちをかきたい、みたいなことを、
抱負としてはなしておられた。
よんでみると それほどSNSに特化したはなしではなく
(全国紙に連載されるのだから、あたりまえか)、
わかい姉妹が なくなった母親への感情を
整理しかねている状況が背景にあり、
わたしにはすこしややこしかった。
たしか目黒考二さんと大森望さんによる書評で、
綿矢氏と金原氏のどちらかが、受賞したのちにおおきくのびた、
みたいなことをはなしていた。
それがどちらかだったのかおもいだせなので、
掲載された本をさがしたけど みあたらない。
おふたりの小説をよみくらべてみると、
綿矢氏のほうが、わたしにはおもしろくよめた。
小説をよんだあとでも、おふたりの名前がおぼえられないのは
さすがによくないので、決定的な記憶法をしりたいところだ。
金原ひとみ氏は、翻訳でしられる金原瑞人氏のお子さんで、
綿矢りさ氏は最年少で芥川賞を受賞した。
そこまで頭にはいっているのに、作風となると
いまだに金原ひとみ氏と綿矢りさ氏がごちゃまぜになる。
よんだあともそうなのだから、
これはたんにわたしの記憶力の問題かもしれない。
アイドルの顔と名前がおぼえられないのとおなじように、
わかい女性という ただそれだけで、
わたしの脳がうけいれないのかもしれない。
たくみな比喩は綿矢りさ、と
いいところまで識別できたきたので、
あともう1作よめば 名前と作風が定着しそうだ。
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