4人の新成人をいわう会がもよおされた。
おいわいのことば、エンタテイメント、など、
10ほどのプログラムにそって、2時間の会となる。
2時間もつだろうかと、心配していたけど、
ひとつひとつのプログラムにゆっくり時間をかけると、
たいくつせずに、むりなく2時間をすごせた。
高等学校でかかわった先生がたもまねき、
おいわいのことばをいただくと、
なかにはことばにつまり、なきだした先生がおられた。
そんな先生にならえたら しあわせだ。
この先生が雰囲気をととのえてくれたおかげで、
会の雰囲気が、いい方向にむいたような気がする。
保護者からの手紙では、
「生まれてきてくれてありがとう」
とよまれたお父さんがおられた。
わたしもひとりの親として、
こころをこめて そうむすこにかたりかけた
お父さんのしあわせをおもった。
生まれたときから集中治療室だったので、
とても成人をむかえられるとはおもわなかった、
とはなされたお母さんがおられた。
4組の保護者のうち、2人のお母さんには
新成人への手紙を用意してほしいと、つたわってなく、
でも、そんなぬけたところも、
適度なゆるさにおもえるいい会だった。
会がおわり、特注のお弁当をたべながら、
なんねんもまえに 成人式をすませた利用者の方に
きょうの感想をたずねた。
「すでに成人をむかえた先輩として、
なにかアドバイスはありませんか?」
20歳をむかえても、なにか目標をもたなくては、
ただ毎日をすごすだけの生活になってしまいがちだ。
そうならないための、なにかいい方法はないだろうか。
わたしがたずねた32歳の男性は、
まいにちを げんきにすごせるだけでしあわせです
とこたえられた。
きれいごとをいわれたのではなく、
20歳のころからそうかんがえていたそうだ。
わたしがたどりつきたい達観を、
すでに身につけておられるのにおどろいた。
20歳になったら酒やタバコをたのしめる、
というのも「いまさら」っぽくてリアリティがないし、
20歳なったら責任をもって、といわれてもこまる。
そだててもらった両親に親孝行を、もピンとこない。
なにが成人式だと、わたしはへんにソフィスティケートされ、
自分が成人をむかえたときは、すなおによろこべなかった。
きょうのように、この日をむかえられただけでありがたい、
というはなしをきくと、エリをただされるおもいになる。
障害をかかえて生き、きょうをむかえられた4人とその家族は、
ほんとうにしあわせをかんじておられるようにみえた。
20歳はたしかにひとつのくぎりだけど、
まだそのさきの人生はながく、
じっさいには20歳をむかえたからといって、
なにかがおおきくかわったりしない。
それでも、ひとつのくぎりをつけて、
これからのすごし方を あらためてかんがえるのは
わるくないこころみだとおもうようになった。
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