(ジェームズ=L=ブルックス:監督・1983年・アメリカ)
「愛となんとか」というタイトルがおおすぎて
わけがわからなくなる、と、
だれもがつっこみたくなる まぎらわしいタイトルで、
わたしも すでにみたことがあるのか ないのか
タイトルをきいただけではわからなかった。
しりあいからこの作品名をきいても ピンとこなかったので、
あらすじを簡単にきかせてもらったら、
どうもわたしはまだみてないようだ。
すでにみていたのは『愛と青春の旅立ち』と『愛と哀しみの果て』で、
わたしがかんちがいしてたのは、ロバート=レッドフォードと
バーブラ=ストライサンド主演の『追憶』だった。
『愛と追憶の日々』にでているのは、
シャーリー=マクレーンとデブラ=ウィンガー。
デブラ=ウィンガーは、『デブラ・ウィンガーを探して』はみたけど、
映画ははじめてだ。
どうやらすごく有名な作品らしい。
わたしがいまさらもっともらしいことをかこうとしても
ちからがおよびそうにないので、雑感をならべてみる。
すこしネタバレあり。
ジャック=ニコルソンがいい味をだしている。
不良中年のさきがけみたいなかんじか。
おなかがでて、どうみてもおっさんなのに、
自信満々な表情に魅力がある。
わたしみたいに人畜無害なだけがとりえの中年おやじからみると、
あんなふうに歳をとれるのは ひとつの理想といえる。
この作品では、いくつもの部門でアカデミー賞を受賞したり、
ノミネートされているけれど、
わたしがうまいとおもったのは おとなよりも 2人の子役だ。
おにいちゃんのほうは母親のエマ(デブラ=ウィンガー)に
にくまれぐちをたたくけど、ほんとうは母親をふかく愛している。
だいすきなのに、つい反抗してしまう さみしそうな表情がたまらない。
おとうとくんは、おにいちゃんにいつもくっつきながら、
お母さんとおにいちゃんがけんかをしだすと
おにいちゃんをいさめようとする。
まだおさないせいもあり、お母さんが入院すると
さみしくて すっかりしょげてしまう。
病院のベッドでよこになるエマへのせっしかたは、
とても演技とはおもえない。
この作品にかぎらず、アメリカ映画は
子どもたちの自然なふるまいに感心する。
映画のラストでは、エマの葬儀がおわり、
オーロラ(シャーリー=マクレーン)の家に
したしい友人たちがあつまっている。
母親が亡くなり、かなしみにしずむ男の子(おにいちゃんのほう)は
みんなからはなれて すべてをもてあましていた。
ギャレット(ニコルスン)は、
男の子のスーツをほめたあと、自分の家の庭にあるプールへさそう。
男の子は常識をわきまえているので、
こんなときにプールなんて、と いったんことわるけど、
ギャレットが「いいって いいって」
みたいにうながすと その気になり、
ふたりはそっと家をぬけだした。
なにごとにおいても、こんなふうな さりげないおわり方がすきだ。
よろこびとかなしみをよくしっている
ギャレットみたいなおとながちかくにいるのだから、
男の子はきっとたちなおって つよい人間にそだつだろう。
そうした人間関係をのこせたのは、エマとオーロラの
ストレートな生きかただった。
みどころのおおい作品であり、
とくにニコルスンとふたりの子役に注目するよう おすすめしたい。
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