ゾウの飼育を例に、動物園の改革が紹介されていた。
札幌の円山動物園では、アジアゾウをあたらしくむかえるにあたり、
スマトラ島の自然公園を、スタッフが研修にたずねている。
その自然公園のリーダーは、ゾウの生態にくわしく、
繁殖も成功させており、ゾウを保護する中心的な存在だ。
そのひとが、円山動物園では、どんな環境でゾウをかうのかとたずね、
円山動物園のスタッフが
オスとメスにわけるたてものだとこたえると、
それがそもそもまちがいで、ゾウの自由にまかせるべきだ、
とアドバイスしていた。
自然環境にできるだけちかづけ、ゾウが自分の判断で
いっしょにすごすあいてをえらべたほうがいいそうだ。
番組によると、いま 世界の動物園は、
ゾウやホッキョクグマをかわない方向へ
かんがえ方がかわってきているという。
ひとことでいえば、人間には野生動物を
不適切な環境にとじこめる権利はないからで、
これまでの飼育がみなおされているらしい。
動物園というと、野性の環境とは
まるでちがう空間に動物たちをとじこめるので、
見物していても、たのしむよりもまず、
「かわいそう」とおもってしまう。
それが、ようやく動物の側にたった飼育へと
状況がかわってきた。
アメリカの動物園では、
ゾウが自然環境によりちかい状態ですごせるよう、
エサのあたえ方をくふうし、ゾウが自分でうごかなければ
エサをたべられない方法がとられている。
たかいところにエサをおいたり、
材木をくみあわせたところにエサをまき、
ゾウがかんたんにはエサをたべられないようにする。
ゾウの足に負担をかけないために
地面はコンクリートではなく砂をしき、
運動不足にならないよう、敷地には傾斜をつくり、
自然と筋力をきたえられる環境にする。
円山動物園は、ゾウが快適にすごせる環境を準備でき、
おとずれたひとが、ゾウの生態をしる機会になるだろうか。
動物園という存在そのものに
疑問がなげかけられている時代であり、
飼育や展示は 社会的にもハードルがたかくなっている。
そもそも、冬のさむさがきびしい札幌に
熱帯の動物であるゾウをつれてくることからして どうなんだろう。
こんな快適な場所でくらせてしあわせだとおもえるような
適切なゾウの飼育環境になればいいけど。
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