名前のうれている司会者が、ゲストを相手に
わかいころのおもいでをたずねていた。
もうすぐバレンタインデーなので、
話題は どんなチョコをつくったか。
なにをいっても司会者は感心してきいている。
ラジオをきくほうは、有名人だとおもうからか、
なんとなくめずらしいはなしだと ありがたがるけど、
よくきいてみたら、たいしたこといってない。
まったく無名の一般人を有名人にみたて、
もっともらしくインタビューする番組をおもいついた。
テレビ局のスタジオみたいな部屋を用意し、
マイクをいくつも机にならべて
きかざった有名人(じつは一般人)に
子どものころのおもいでをたずね、
一般人は、自分の体験をありのままにはなす。
無名の一般人であることをふせていたら、
きっとほとんどのひとが
ふつうのテレビ番組だとおもうのではないか。
ようするに、はなしの内容ではなく、
だれがはなしているかが問題なのだ。
名前がうれているひとのはなしだから
きくほうは耳をかたむけるのであり、
内容はあんがいからっぽだ。
有名人っぽくよそおえば、どこかの大人物だとかんちがいして
まわりはきいてくれる。
有名人であることが、なによりも ものをいう。
林雄司さんが「歌の下手なさだまさし」というはなしを
ブログにかいていた。
http://yaginome.jp/?p=641
歌がうまいから さだまさしさんのはなしをまわりはきくけど、
これで歌がへただったら だれも相手にしない、
という趣旨だ。
さだまさしだって歌がうまいからトーク番組をやっているのだ。いや、しゃべりはうまいんだけど。でも、あの人、歌うたってなかったらこいつ誰だってことになるじゃん。
なので、わたしの発見とはすこしちがう。
有名人だからきいてもらえる、まではいっしょでも、
有名人でなければ つまらないはなしをしたら
「こいつだれだ?」になると林さんはいうのだ。
それはまあ、たしかにそうだろう。
わたしのおもいつきは、
もっともらしさだけでいかに視聴者をだますか、なのだから、
いかにもデイリーポータルZむきの企画だ。
よくきいてみると、テレビやラジオの番組は
たいしたことをはなしていない。
芸能人っぽい雰囲気にごまかされているだけかもしれないので、
そこに焦点をあて、一般人にそれっぽくよそおってもらったら、
おもしろいかも、というだけのはなしだ。
ほんとは有名人も、「それだけのはなし」しか してないのだけど。
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