「糖質から逃れられない現代」として、
糖質の問題点について指摘している。
リレーオピニオン「甘さと日本人」の13回目の記事で、
これまであまさと日本人のつきあいを、
肯定的なみかたから紹介してきたシリーズなのに、
今回の記事は、糖質が人類にとって
根本的にやっかいな存在であるという立場から、
糖質の問題点にきりこんでいる。
お米と野菜を中心にたべています、なんていうと、
いかにも質素で健康的な食生活みたいだけど、
お米こそが そもそもの諸悪の根源だというのだから、
これまで常識だとおもってきたことはなんだったのか。
小麦についても、大量の肉をたべるより、
パンとサラダのほうがからだによさそうだけど、
糖質を問題とする立場からは
肉と動物性の脂肪のほうが よほど人間のからだにあっている。
縄文時代の遺跡から日本人の食事内容を推測した研究では、主食は魚や貝、クルミで、たんぱく質と脂肪が80%、炭水化物が20%当然代謝の主役は脂肪を分解する回路です。
わたしがこれまでによんだ糖質制限の本は、
糖質の問題点にふれているし、
たちよみしたジョコビッチの食事は、グルテンフリーといって、
小麦のグルテンをさける食事法が紹介されている。
人類は、ながいあいだ穀物とともに
くらしてきたとおもっていたけど、
まだその歴史はたかだか数千年でしかない。
それにさきだつ何万年ものあいだ、
人類は穀物なしでくらしてきたのだから、
穀物や砂糖がたくさん手にはいるようになったからといって、
人間のからだは そうかんたんに対応できない。
糖尿病についても、糖質をうけつけなくなるのは
異常な状態かとおもっていたけど、
数万年の人類の歴史をかんがえると、
糖質のすくない状態がむしろふつうなのだから
しょうがなくおもえてくる。
ながいあいだ人類は糖質をコントロールする必要がなかった。
麦畑や田園風景は、いかにも牧歌的で
人類のこころのふるさとみたいだ。
しかし、それらは情緒的にうえつけられた
ただのイメージでしかない。
宗田氏の記事によれば、砂糖などのあまさが
かんたんに手にはいるようになったのは、たかだかこの60年だ。
よく「バランスのとれた食事」なんていうけど、
じっさにはどんな食事内容をさすのだろう。
「バランス」は、なにをしんじるかによって おおきくかわる。
ごはんやパンのあまさは、人類をおびきよせる植物のワナ、
という宗田氏の指摘が、おおげさにおもえなくなった。
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