2017年04月22日

江戸時代をいまの子どもたちはどうイメージするのか

朝日新聞の土曜日版に、
「時代劇は好きですか?」
の記事がのった。
それによると、約6割のひとが「すき」とこたえ、
いちばん人気は「鬼平犯科帳」で、
「大岡越前」「水戸黄門」とつづく。
2011年に「水戸黄門」がおわってから
時代劇の放送はなくなっている。
今年の秋から、武田鉄矢氏を主演に再開する「水戸黄門」は、
6年ぶりの時代劇となる。

わたしが小学生のころ、家族で「水戸黄門」や「大岡越前」、
それに「銭形平次」をみるのが習慣となっており、
マンネリともおもわずに けっこうたのしんでいた。
いまおもえば、わたしが江戸時代にイメージする風景は、
時代劇がベースになっている。
悪代官がいて、越後屋とつるむ ありがちなストーリーや、
お奉行や家老などの役職を、時代劇にまなんだ。
かならずしも事実をつたえているわけではないかもしれないけど、
わたしは時代小説がにがてなので、
江戸時代の情報は、ほとんどテレビからのみもたらされている。
弥生時代や平安時代をリアルにイメージできないのは、
テレビでみたことがないからではないか。

「水戸黄門」で、米俵のうえに腰をおろした黄門さまが、
お百姓さんにしかられる場面をみると、
苦労してつくったお米にのっかったりしてはいけないとまなんだし、
ながい道のりを黄門さまご一行があるいていくと、
ところどころに茶店があって、
みたらし団子がおいしい、とかの風景があたまにうかんでくる。
わたしが江戸時代についてしっている情報のおおくは、
時代劇によってもたらされている。
テレビで時代劇をやらなくなってから、
子どもたちはどうやって江戸時代をイメージしているのだろう。
そもそも子どもはテレビをみなくなっているらしく、
「水戸黄門」が再開しても、
子どもたちへあたえる影響としては
あまり期待できない。
まったくみたことがない時代を、
子どもたちは教科書だけでどうくみたてるのか。
時代劇がはたしていた役わりは、あんがい重要だったのでは。

朝日新聞の記事には、
だれも見たことのない世界を再現する時代劇は、極論すれば、なんでもありのファンタジー

というペリー荻野さんのことばを紹介している。
もっともらしいはなし方や、
庶民のくらしぶりなど、
ほんまかいなと、うそくささをかんじていたけれど、
「なんでもありのファンタジー」なら それもわかる。
すこしまえに映画館でみた
『十三人の刺客』(三池崇史:監督・2010年)は、
1963年につくられた同名の作品をリメイクしたものだった。
かなり大胆につくりかえたといい、
いまどきの時代劇としてたのしめる作品となっている。
わたしはおもしろければそれでよく、
あたらしい時代劇として好感がもてた。

秋からはじまる「水戸黄門」では、
革新的な解釈がもちこまれ、
だれもみたことのない黄門さまとなればおもしろい。
「なんでもありのファンタジー」なのだから、
史実がどうのこうのは関係ない。
これまでの「水戸黄門」シリーズをひっくりかえし、
あたらしい黄門さまをみせてほしい。

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posted by カルピス at 14:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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