総しあげみたいなかんじのマッサージをしてくれるけど、
もうひとつものたりなさがのこることがおおい。
気もちよくないわけではないけど、いいところで うちきられる。
テクニックとしても、中途半端で いまひとつなかんじ。
理容学校では、マッサージの基本技術をおしえているのだろうか。
マッサージと散髪とは、ほんらい まったく関係ないのに、
タダでやってくれるのだから、ありがたいといえば ありがたい。
ありがたいけど、どうせするなら、もうちょっと、
とかんじるのが床屋さんのマッサージだ。
わたしの職場には、なにかにつけて
運転ちゅうのわたしに マッサージをしてくれる利用者さんがいる。
運転席のうしろから手をのばし、わたしの肩をたたくのは、
かなりやりにくい体勢となるはずなのに、
ひじょうにしばしばたたいたり、もんだりしてくれる。
ありがたいことに、床屋さんでのマッサージよりも、
ずっとていねいで、時間もながい。
職員としては、利用者に肩をもんでもらうなんて、
まわりのひとから、どんなうけとめかたをされるかわからないので、
やめるようにはたらきかけないといけない場面だ。
でもまあ、車のなかなら、すこしぐらはいいいいだろうと、
つい そのままもんでくれるにまかせてしまう。
そのひととしては、サービスとしてのマッサージではなく、
あそんでくれるようにと、わたしにちょっかいをかけているのだ。
でも、そのマッサージが 妙に気もちいい。
あそびとしてわたしの肩をたたいているのだから、
ときどきめちゃくちゃちからをこめてたたくこともある。
それでも、わたしの肩はガチガチにこっているのか、
我慢できないほどのちからではなく、
ほかでは味わえないサービスとして ありがたく頂戴している。
たいていのことがらがそうであるように、
マッサージも、かなりのていどセンスできまる。
へたなひとは、どんなに気もちをこめても
相手が満足するマッサージはできない。
利用者さんは、どうやってこれだけの技術を身につけたのだろう。
とにかくそのひとは、わるくないテクニックをもって
わたしの肩をもむのが なぜかすきなようだ。
たのみもしないのに、肩をもんでくれるなんて、
かんがえてみると ものすごくしあわせな状況だ。
すぐれたセンスと、マッサージずきなわたしとを、
神さまがアレンジしてくれたとしかおもえない。
みかたをかえると、マッサージは
ひとつのスキンシップでもある。
ひとの肩をもんでしたしみをあらわし、
うける側のわたしは 気もちよさを相手につたえる。
からだをさわられると いやがるひともいるけど、
わたしは抵抗がないので、わるい気はぜんぜんしない。
床屋さんのマッサージは、ながい時間 じっとすわってもらい、
おつかれさまでした、という意味がこめられているのだろう。
あるいは、スキンシップ効果をねらって、
リピーターをふやそうとしているのか。
ハグや、ラテン系のひとがよくやる ほほをあててのキスのかわりに、
日本でも、なにか身ぢかなスキンシップがひろまらないだろうか。
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