例によって、わたしのしらない名前のほうがおおく、
わたしがいかに芸能オンチかをおもいしらされる。
複数回目の出場となるひとでも、
おぼえのない名前がいくつもあるのだから、
ひらきなおるしかない。
それに、だれがでて、だれがでないのかは、
おおくのひとにとって すぐにはこたえられない難問だ。
たとえばAIが3回目の出場なのに、
aikoはなぜえらばれないのかなんて、
わたしにはむつかしすぎる。
ただ、初出場でもSHISHAMOだけはしっていた。
送迎のとき、ラジオでよくきく「ゆうがたパラダイス」で
SHISHAMOの「明日も」がかかり、
この曲のよさはわたしにもすぐわかった。
SHISHAMOのことばづかいは、たとえば
「一つも手抜きはできないな」の「な」がうまい。
きくものの耳をとらえ、つよく印象にのこる歌詞だ。
躍動感にあふれる「明日も」は、
ことしを代表する歌になる予感があり、
むすこやしりあいにきかせると、だれもがいいという。
きっと、紅白にもでるだろうと、わたしはおごそかに宣言し、
そしてじっさいそのとおりとなった。
べつにわたしがえらいわけではなく、
反対に、いかにわたしがミーハーかの証拠ともいえる。
だれもがいいとおもう曲を、
わたしもまたいいとおもってしまう。
わたしのこのみがみんなよりもさきをいき、
あとからブームになったら得意だろうけど、
そんな体験はしたことがない。
あとをおいかけるのは、いつもわたしのほうだ。
ことし一年は、ガールズバンドについていこうとしてみた。
ヒャダインさんのラジオ番組”ガルポプ!”と、
月曜から木曜までのゆうがたパラダイス(NHKーFM)により、
これまでさけてきたガールズポップに、
意識して頭をなじませようとした。
アイドルの曲にだって耳をかたむけている。
紅白に2年つづけての出場がきまった欅坂46が、
ゆうがたパラダイスの月曜日を担当しており、
メンバーがふたりずつ順番にでている。
ほかの曜日をうけもつ女性たちとくらべ、
欅坂の女の子たちは、いかにもアイドルで、
舌たらずのしゃべりかたと、はなしの貧弱さがきわだち、
わたしにとって、ききつづけるのは そう楽ではない。
なかには自分のことばではなせるひともいるけど、
自立した女性をアイドルにもとめる
わたしのほうに無理があるのだろう。
アイドルとは、こういうひとたちのことをいうのだと、
ふなれなわたしに「アイドル」をおしえてくれたのが欅坂46だ。
一年の集大成として、ことしの大みそかは
しっかりと紅白をみてみよう。
すくなくとも、SHISHAMOと欅坂46だけは
どんな舞台となるかみとどけたい。
一年にわたるわたしのささやかなガールズポップ体験は、
どんな実をみのらせるだろうか。
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