「オトナになった女子たちへ」。
こんかいは、東京に雪がふった朝について。
めったにふらない雪でしろくなった朝、
近所のけしきがいつもとはかわってくる。
いつもだと、たとえみかけても、
どこの家の子だろうと謎だった中高生が
家族といっしょにでてくれば すぐにわかる。
雪かきをしてくれてるおじさんが
「昔、自衛隊にいてこんなことしょちゅうやってたんだけど」
と、ひとりごとみたいに おしえてくれたり、
トラックを誘導するおじさんが、
英語で鼻歌をうたっていたり。
「もしかしていい朝だったかも」
と、伊藤さんはかんじはじめる。
たしかに、いつもとちがう、いい朝っぽい。
わたしがすむ町も、こんしゅうは雪がつもり、
いつもとはちがう朝になった。
ただ、東京の雪ほどめずらしくはないので、
通勤・通学をじゃまするめんどくさい雪、
というとらえ方のほうがつよいかもしれない。
雪がつもると、いつもとちがう顔ぶれをみる新鮮さよりも、
いつもであえるひとをみかけないさみしい朝となる。
わたしが朝あるいて職場にむかう時間に、
よく3人組の男子高校生とすれちがうのだけど、
そのなかのふたりがかならず「おはようございます」と
おおきな声であいさつしてくれる。
わたしから「おはようございます」をいうことはなく、
いつも いわれてからの返事となり、
人間として 彼らのほうがしっかりしているといつもおもう。
ふつうの高校生は、みしらぬおじさんに
「おはようございます」をいわないとおもうのに、
なんで彼らはわたしにあいさつしてくれるのだろう。
ひとつには、わたしがあいさつしやすい顔をしているのではないか。
彼らにかぎらず、部活がえりの女子中学生が
「こんにちは」といってくれることが ときどきある。
もっとも、「あいさつしやすい顔」が
どんな顔なのか、本人であるわたしにもよくわからない。
あいさつしてあげないと かわいそうなぐらい
くらい顔つきなのかもしれない。
ふみきりをわたろうとするとき、わかい女性から、
「おはようございます」といわれたこともある。
こんなきれいな女性がしりあいにいたっけ?と
うれしくなっていたら、
通学する生徒たちをみまもっている先生だと
あとで気づいた。
自意識過剰なおじさんは、
わかい世代が声をかけやすいのかもしれない。
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