2018年04月15日

朝日新聞の土曜日版beに、佐藤正午さんがとりあげられた

朝日新聞の土曜日版beに、佐藤正午さんがとりあげられた。
記事によると、佐藤さんは、
佐世保からでないことでしられる小説家らしい。
本人が日本の首都を最後に訪れたのは、四半世紀以前だと公言している。

とはいえ、『鳩の撃退法』には、リアルな中野が登場する。
なんだかんだいって、東京にくわしいんじゃないか、
とおもっていたら、あのいかにもありそうな中野ふれあいロードは、
編集者が情報をあつめ、
パソコンのイメージ編集ソフトからつくったという。
津田伸一がはたらくスナック「オリビア」は、
編集者がいきつけとする実在の店なのだそうだ。
佐藤さんが中野にくわしいのではなく、
編集者のアシストがあっての『ハトの撃退法』だった。
編集者は、そんなことまでしなくてはならないのかとおどろく。

佐世保といえば村上龍さんの『69』の舞台だ。
高校生がはしりまわる佐世保と、
中年の津田伸一がグダグダ生きている佐世保は
まるでちがう町にみえる。
わたしは津田伸一みたいなダメ男が気になる。
津田伸一は、まったくはたらかないわけではないけど、
どこかふかいところがまともではないようで、
まわりのひとをだんだんとうんざりさせてしまう。
佐世保(とおもわれる町)にすめなくなっても、
東京の中野にあるスナックでちゃんと仕事をするのだから
そんなにわるくいわれる筋ではないのに、
ぜんたいとしてはやる気のないダメ男の烙印をおされている。
ドーナツやハンバーガーのチェーン店にいりびたり、
生産的なことはかんがえず、店員をからかったりして
ダラダラとヒマをつぶしている津田伸一がわたしはすきだ。

朝日新聞の記事によると、『鳩の撃退法』は
1月に文庫化されてからよくうれているそうだ。
わたしは、この小説で佐藤正午をはじめてしった。
これまでポツポツと本をよんできたものの、
そんなに熱心な本よみではない。
そんなわたしにも『ハトの撃退法』のおもしろさは格別だった。 
この小説のよさがわかってよかったとおもった。
おもしろいとしか、いいようがない。
文学的にどうこうという評論よりも、
今回の記事のように、作品の舞台裏みたいなはなしに興味がわく。

それにしても、「四半世紀以上」
東京へいかない小説家というのもすごい。
直木賞の贈呈式にも、なんだかんだと理由をつけて欠席している。
それでいて、編集者にたすけてもらいながら、
小説では東京を舞台にするのだからよくわからない。
「佐世保を出ない小説家」は、
佐藤さん流のあそびみたいなものだろうか。

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posted by カルピス at 21:17 | Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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