2018年04月30日

「刑事ジョン・ブック 目撃者」納屋でのダンスが印象にのこる

「刑事ジョン・ブック 目撃者」
(ピーター=ウィアー:監督・1985年・アメリカ)

(以下ネタバレあり)
アーミッシュの少年が殺人現場を目撃する。
刑事のジョン=ブック(ハリソン=フォード)が
少年の記憶を手がかりに、捜査にのりだす。
やがて少年が犯人としめした写真は現職の警官だった。

上司に報告したジョン=ブックは、
その直後に犯人にまちぶせされ、銃撃をうける。
あろうことか、ジョンブックが報告した上司もまた
犯行にかかわっていた。

警察をたよれなくなったジョン=ブックは、
銃撃によりケガをしながらも、
少年とその母親(ケリー=マクギリス)を彼らの村におくりとどける。
彼らはアーミッシュで、ふるくからのくらしをまもってくらしていた。

わたしがはじめてこの作品をみたとき、
映画の筋よりも、アーミッシュのくらしを
はじめてしっておどろいた。
黒い服をきて、自動車や電話をつかわず、
暴力を否定して、銃ももたない。
家をたてるときも、村にすむアーミッシュが全員あつまって、
共同で仕事をすすめる。

もうひとつ印象にのこっているのは、
映画史にのこるであろうチャーミングな場面だ。
ジョン=ブックがこわれた車をなおそうと、
ランプのあかりをたよりに部品をいじっている。
いっしょにいるのは、犯罪を目撃した少年の母親で、
彼女の看病のおかげでジョン=ブックは命をとりとめた。
車のエンジンはかからないものの、ラジオがとつぜんきこえはじめる。
サム=クックの「ワンダフル・ワールド」だった。
「この曲は最高だ!」と、ジョン=ブックは、女性をダンスにさそう。
うすぐらい納屋のなか、コールマンのランプにてらされながら、
たのしそうにおどるふたり。
しょぼいポンコツ車が、かぼそくテールランプをひからせ、
納屋のわらにつつまれて、気もちよさそうにうずくまっている。
おとぎばなしをみているみたいだ。
この車は、ジョン=ブックが村をたちさるときにも
ヨタヨタとはしっていい味をだしている。
アーミッシュの村にぴったりの車だった。

犯罪にかかわわったわるい警官たちは、
ジョン=ブックとアーミッシュたちの手によって
さいごにやっつけられて めでたしめでたし。
まったく、権力を乱用できる汚職警官ほど
たちのわるい悪役はいない。
とりとめのないおもいでばなしになったけど、
こまかなストーリーよりも、アーミッシュの存在が、
作品全体の雰囲気を決定的にした。
ハリソン=フォードがわかく、
ケリー=マクギリスがうつくしい。
アーミッシュのくらしとともに、
サム=クックの「ワンダフル・ワールド」をときどきおもいだす。

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posted by カルピス at 09:28 | Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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