もえるゴミをだす日(火・金)は、
そのまえの夜からゴミのつまった袋を玄関においている。
朝、新聞をいれるときに、用意していたその袋もだす。
朝から生ゴミをあつかわなくてもいいので、
だんどりがいいのだろう。
でも、5月にはいり、気温があがってくると、
ゴミ袋から生ゴミのにおいがするようになってきた。
わたしの部屋は、玄関のすぐちかくにあり、
部屋からでるたびに、生ゴミのにおいをかがされる。
いまは我慢できないほどつよいにおいではないけど、
夏になればかなりくさい存在になるだろう。
解決への道はかんたんだ。
まえの夜からもえるゴミを用意したりせず、
朝までまって ゴミ袋をとりだすようにすれば、なんの問題もない。
とはいえ、夫婦といえども、
こういう提案にはあんがい気をつかう。
配偶者は、なにかものすごい理由があって、
まえの夜からゴミ袋を用意しているのかもしれないし、
もしかしたら、わたしへの 無意識な いじわるという線はありえる。
いじわるがいいすぎだとすれば、わたしにたいする無言の圧力か。
いずれにしても、わたしの提案に 配偶者はどう反応するだろう。
やぶへびで、わたしの生活態度までがやり玉にあがったり、
生ゴミをめぐって徹底抗戦にすすむかもしれない。
まあ、配偶者が習慣をあらためるのをことわれば、
わたしがもえるゴミをだせばいいだけのはなしだ。
いろんな面から慎重に検討をかさねたのち、
わたしはおそるおそる配偶者にきりだしてみた。
あたたかい季節となり、生ゴミがにおいだしたので、
まえの夜から準備するのはやめてほしい、と。
こたえは、拍子ぬけするものだった。
鼻がわるいので、においに気づかなかったのだそうだ。
いっぺんに謎がとけてほっとする。
宣戦布告につながるいじわるでなくてよかった。
そういえばまえにも、配偶者の鼻がわるいのをついわすれ、
誕生日プレゼントとして アロマオイルをおくったことがある。
気がきかないのは、わたしのほうだった。
コミュニケーションがたりないと、このように、
ささいな問題をおおげさにとらえがちだ。
もうひとつ、配偶者とのあいだに
わたしはタンス問題をかかえている。
わたしの部屋においてある配偶者のタンスが 邪魔でしょうがない。
本棚や机がおいてある書斎ともいうべき空間に、
おおきなタンスはいかにも場ちがいだ。
でもそれは、あくまでもわたしのいいぶんであり、
配偶者としては、ほかに場所がないから
わたしの部屋においている、というだろう。
タンス問題はかなりデリケートな要素をかかえており、
かんたんにきりだせば、倍がえしされそうだ。
どんな状況なら、タンスがわたしの部屋からきえだろうか。
夫婦でいることのだいごみは、おたがいに気をつかいつつ、
自分勝手な欲求を、どうやって提案するかにある。
生ゴミのつぎは、いよいよあいての本丸へとせまりたい。
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