2018年06月07日

えんどう豆あんパンを紹介する料理番組で、自由を手にいれる

仕事でクッキーをうりにでかけたら、
その部屋においてあるテレビで
「ひるまえクッキング」という料理番組をやっていた。
クッキーをテーブルにならべおえてから、
しばらくテレビの画面をながめていた。
つくっているのは、えんどう豆をつかったアンパンだ。
えんどう豆であんこをつくるわけで、
色あざやかなアンは、たしかにみばえがいい。

1 ロールパンにバターをたっぷりぬる
2 そこに、えんどう豆でつくったアンを
  これもまたたっぷりのせる。
3 パンを両手でおしつぶし
4 フライがえしをつかって、片面ずつフライパンでやきつける

つくっているのは、きっと有名な料理の先生で、
アシスタントの女性がさかんにヨイショしている。
でも、手でロールパンをおしつぶすところとか、
フライパンでやき目をいれるところなど、
全編をつうじて、かなり残念なみた目だ。
手をくわえていくにつれ、ますますヘンテコな方向へと料理がむかう。
できあがったアンパンをくちにいれると、
アシスタントの女性は、ゆたかなかおりを
とってつけたようにほめていたけど、
とてもこころからの声にはきこえない。
料理の先生がつくっても、
こんな不思議なしあがりのときもあるのかと、
わたしはふかく感心した。
あざやかな包丁さばきをみせつけて、とても素人はマネできないと
あきらめさせるのではなく、
これぐらいなら、自分でつくったほうがうまくいきそう、と
おもわせてくれる番組は あまりない。
どうでもいい料理を、みごとな手つきで
コジャレたおやつにしあげるのではなく、
いかにもむりやりにバターをぬり、
アンもまたギュウギュウづめにおしこむ。
まるで、厚化粧の女性が、
得意そうに料理をする 外国の番組みたいだ。
それを、初老の板前さん風の先生がやるのだから、
そのおおきなギャップを わたしはわるくないとおもった。

わたしは、自炊料理をいくらかはつくるけど、
とてもひとにたべてもらえるようなできばえにはならない。
レシピどおりにつくらないので、いいかげんな味つけだし、
うつくしくもりつけられないのが、
ながねんのコンプレックスとなっている。
でも、えんどう豆のアンパンづくりをみると、
肩のちからがぬけてきた。
有名な料理の先生でさえ、あんなしあがりにしか
もっていけないのなら、わたしがきれいにもりつけられなくても、
はずかしくおもう必要はない。

番組のおわりでは、えんどう豆アンパンのアレンジとして、
サバをはさんだたべ方も紹介されていた。
こちらもまた さらに傷口をひろげる 残念なできばえで、
ぜったいにやってみようとはおもわない。
戦前の日本人が西洋料理をまねたら、
おそらくこんなふうにヘンテコで、
料理オンチのできだったのではないだろうか。
偶然みかけた不思議な料理番組は、
まともな料理にからみとられていたわたしを、
自由で、どうでもいいよのスタート地点にまで もどしてくれた。

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posted by カルピス at 21:53 | Comment(0) | 料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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