倉下忠憲さんが「シゴタノ!」でとりあげていた。
ブログにいかせそうなので よんでみる。
https://cyblog.jp/35163
おもしろかった。
「10年後を目指して」「知的生活を設計」する。
わずかな時間でも、5年、10年とつづけたら、みたいに
皮算用する本をみかけると、
そりゃそうだろうけど、計画どおりになかなか実行できないのが
ふつうの人間だろうと、かるくながしてしまいがちだ。
でもこの本は、習慣を10年つみあげると、
どれだけの収穫がえられるかについて、
たくさんのノウハウにうらづけされたリアリティがある。
帯にある「豊かな人生は『設計』できる」、
表表紙の「『10年後の自分』を支える83の戦略」が
説得力をもつ。
内容では、とくにブログについて、
ウェブ上で知的生活を情報発信する場合、いまでもそれに最適なプラットフォームはブログです。
とかいてあり、とてもちからづけられる。
7年まえに、ブログをかきはじめておいてよかった。
もし、ブログをはじめてなかったとおもうと、すこしこわい。
カテゴリ分けとタグづけは入念に行う
は、ありがたい指摘だ。
わたしは、カテゴリーをわけているけど、
タグはつけてなかった。
記事をうもれさせたくないといいながら、
配慮がたりなかったわけで、
この本をよんでから、あわててタグづけをしている。
でも、これまでにかいた2500の記事について、
いまからタグをみなおしていくのはたいへんだ。
タグの重要性に、もっとはやくから気づくべきだった。
わたしは10年をめざしてブログをかいていながら、
10年つづけたら自分がどうなっているかを
かんがえたことがなかった。
どうにかなってるかもしれないし、なってないかもしれない。
10年後の姿は、なりゆきにまかせるしかないとおもっていた。
この本をよんでも、わたしがすぐに10年後のつみあげを意識して、
バシバシ参考にするかというと、おそらくあまりかわらないだろう。
こういう本は実践してなんぼだけれど、
たのしみの読書にとどめてしまうのが、わたしのひくいところだ。
本書を、すばらしい内容とみとめながら、
わたしには3つほど気になる記述がある。
いずれも梅棹さんに関係するところで、
梅棹さんの本をよんでいると すぐに気づく。
1.『知的生産の技術』での「情報発信」は、だれを念頭にかかれたか
『知的生産の技術』や『知的生活の方法』が書かれた当時は、まだ誰もがアクセスすることができるインターネットが存在していなかったため、「情報発信」については、主に学者や作家が論文や著作を発表することを念頭においた解説がされていました。(本書P22)
『知的生活の方法』についてはしらないけど、
梅棹さんがかいた『知的生産の技術』は、
当時すでに、だれもが知的生産にたずさわる時代である、
と とらえている。
研究者、学生、文筆業者、あるいはひろく情報産業従事者といってもいいが、そういう人たちの範囲をこえて、すべての人間が、その日常生活において、知的生産活動を、たえずおこなわないではいられないような社会に、われわれの社会はなりつつあるのである。『知的生産の技術』P12
すでにのべたように、今日においては、職業的な文筆家でなくても、文章をかかねばならない機会はたいへんおおい。文章がかけるということは、いまではすべての知的職業人の基礎的技術のひとつである。『知的生産の技術』P197
2.遊牧民がおこなっている遊牧とは
多くのひとは「ノマド」を「どこにでも行く」という意味で捉えていましたが、実際のノマドはあてもなく放浪しているわけではありません。
明確な目的をもって、長い歴史で決められた牧草地を巡るのが、本来のノマドです。(本書P111)
「あてもなく放浪しているわけではありません」
と、ついいいたくなるけど、
梅棹さんがフィールドの観察で気づいたのは、
遊牧民たちは、羊のむれがむかうところへ
ただいっしょに移動しているだけだったはず。
どこへいくのかは、家畜のむれがきめていた。
3.梅棹氏は和文タイプライターを「使っていた」か
書斎のなかの情報発信は、和文タイプライターを使っていた梅棹忠夫氏の時代から、ワープロ、パソコン、そしてスマートフォンやタブレットといったように、その時代の最先端を取り入れることでより巨大な情報を扱えるように進化してきました。(本書P198)
この表現では、梅棹さんが
和文タイプライターをつかっていたようによめてしまう。
時代としては、清書用として
和文タイプライターがつかわれていたとはいえ、
梅棹さんは英文タイプライターでローマ字による日本語を、
のちにはカタカナやひらがなのタイプライターを開発し、
日本語をかく工夫をかさねている。
なぜなら和文タイプライターでは、
はやく、らくにうてず、知的生産につかえないから。
本筋とは関係のない記述とはいえ、
以上の3点にひっかかった。
タグ:知的生産
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