日本対ベトナム 1−0で日本
試合がはじまると、前評判どおり、
ベトナムはいきおいよくボールにからんでくる。
ひいてまもるのではなく、たかい位置から
労をおしまずプレスをかけつづけた。
かんたんなミスはしない。テクニックもある。
よくきたえられたいいチームだった。
とくに10番と19番の選手は印象にのこる。
前半24分に、柴崎からのコーナーキックを、
吉田が頭であわせる。
まえの試合が再現されたような展開だ。
しかし、VAR(ビデオ=アシスタント=レフリー)判定により
吉田のハンドとなり、得点はとりけされた。
その後も、均衡したゲームはこびがつづく。
ベトナムは、積極的にゴールへせまり、
ミドルシュートをためらいなくうってくる。
ベトナムのゴールキーパーも、ファインセーブをみせ、
両チームとも、なかなか得点をあげられない。
試合がうごいたのは、またしてもVAR判定によるものだ。
ペナルティエリア内で堂安がたおされ、PKをえる。
堂安がおちついてきめ、日本の先取点。
2つのVARは、いずれも微妙なプレーで、
白熱したゲームをこわしたようにおもえる。
日本は、サウジアラビア戦から唯一ワントップを北川にかえてきた。
武藤が累積カードのため、出場できなかったからで、
北川は、ボールにからみながらも、得点できなかった。
南野も、おしいシュートをはなちながら、
さいごまでゴールをわれない。
アジア杯におけるこのふたりは、
いいプレーをしても、結果をだせない
マイナスの役割をになっているかのようだ。
とくに北川は、大迫をケガでかき、武藤が出場停止となり、
おおきな責任をひとりしょいこんでしまった。
もっとストレスのない場面での起用なら、
ほんらいの のびのびしたプレーができたはずで、
気のどくになってくる。
後半27分に、その北川が大迫にかわると、
チーム全体のうごきが ほんの瞬間でげんきづいた。
ボールが大迫にあつまり、大迫はたくみにキープして、
味方へ絶妙なパスをおくる。
こんなにも大迫の存在はおおきかったのかと
おちついたひとつひとつのプレーにおどろかされる。
試合終了間際は、ベトナムの猛攻がつづく。
リスクをおかして前線へひとをおくりこみ、
ぶあつい攻撃をしかけてくる。
日本はなんとかしのぎ、5試合連続の1点差となる
1−0でベトナムをくだした。
おたがいにせめあっての、みごたえのある試合だった。
とはいえ、しつれいながら、まさかベトナムをあいてに
これほどくるしめられるとは、おもっていなかった。
ベトナムが急速にちからをつけつつあるのをみとめながら、
大会をつうじ、どの国との試合でも、圧倒できない日本に
すこし欲求不満をかんじている。
この試合の、もうひとりの主役は、
ベトナム代表のパク=ソンハ監督だ。
試合のあいだ、ずっと熱のこもった指示をおくりつづけ、
自分たちのよさをだそうとあの手この手をつくしていた。
もうひとつ印象にのこるのはうつくしいドバイのスタンドだ。
2007年のアジア杯は、タイ・マレーシア・
ベトナム・インドネシアによる共催で、
大会運営や試合会場、ピッチコンディションがおそまつだった。
日本の選手たちは試合に集中するまえに、
もうひとつの「敵」とたたかわなければならなかった。
それをおもうと、こんかいの開催国UAEは
これまでのところきっちりした運営をみせ、
選手やサポーターが、集中して試合にのぞめるよう
適切に環境をととのえている。
日本のつぎの試合は、決勝進出をかけ、イランにきまった。
優勝まであと2試合。
どんな試合をみせてくれるか、たのしみにしている。
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