きょうはアメリカのネコをみる。
意外なことに、これまでにみたどの国のネコよりも、
アメリカのネコはいい顔をしている。
個性的で、達観した表情で、堂々としたしぐさで。
ネコがしあわせな国は、人間もしあわせな気がする。
アメリカのネコがこんなにいい味をだしているのはなぜだ。
日本・モロッコ・スリランカ・メキシコ・アイスランド・・・。
それぞれの国のネコが、それぞれにいい顔をしている。
そのなかで、とくに印象にのこるのが、アメリカのネコだ。
ざっくりわけて、欧米と、それ以外の地域のネコは、
野性味がまるでちがう。
欧米のネコたちは、汗をかきそうにないし(あたりまえ)、
おなかをへらしたりもせず、すずしい顔をして生きている。
それ以外の地域では、やせてたり、ほこりっぽかったり、
その日を生きのびるのに、せいいっぱいだ。
わたしがかんじた印象にすぎないのだけど、
生まれもったなにかにくわえ、
そだった環境がそうした人格と表情をつくるのだろう。
モロッコのネコたちが、いじめられている、というわけではない。
日本より、はるかにくつろいですごせていても、
全体としてのしぐさが、なぜか欧米のネコとはずいぶんちがってくる。
そんななかで、なぜアメリカのネコが、
とくに印象的な表情なのかはわからない。
アメリカは、個人主義のうえになりたつ きびしい競争社会なので、
さみしいひとたちがおおく、
それだけよけいにネコをかわいがる、という仮説もなりたつ。
チャールストンの公園にすむネコは、
もう20歳になるのに、とてもげんきそうだ。
だれかが家につれてかえっても、
自由ネコ(と岩合さんがいっていた)としての生きかたをのぞみ、
また公園にもどってきたという。
自由ネコ(ノラネコ)なのに、20歳までいきるなんて、
よほど幸運にめぐまれてきたのか、
地域のひととのやりとりや、公園でのくらしが、
性にあっていたのだろう。
一流ホテルのうけつけカウンターで、
ゴロリンとよこになっているネコがいた。
日本では、まずかんがえられない光景だろう。
日本のネコは、ほかの国々とくらべたときに、
社会のなかで、あまりかわいがられていない。
駅長をつとめたネコが話題になったけど、
県庁や市役所で、自由にうごきまわっているネコが、
日本にはいるだろうか。
村役場ぐらいになると、日本じゅうで3匹ぐらいはいそうだけど、
日本のネコには、自由と尊厳が
あまりみとめられていないのをかんじる。
ネコは社会の成熟度をあらわすバロメーターであり、
ネコが自由にふるまえる社会になれば、
人間たちにとっても、それだけくらしやすい環境にちがいない。
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