(倉下忠憲・星海社新書)
https://www.amazon.co.jp/dp/4065151562/
タスク管理なら、わたしには関係ないかな、と
スルーしてたけど、
すこしまえのブログに倉下さんが
「『今日はこれをするぞ!』は結構ダメパターン」
とかかれていて、これが まさしくわたしのことだった。
https://rashita.net/blog/?p=27026
・今日って、いつですか
・これって、なんですか
・「ぞ!」の決意がけっこうやっかい
いわれてみれば もっともな指摘で、
それなら本書はわたしに関係あるかも、という気になった。
仕事に「やること地獄」はかんじないけど、
部屋のかたづけや、本のよみ方などに
タスク管理がいかせるかも。
本書がわたしの背中をおしてくれたらありがたい。
「やること地獄〜」をよみはじめると、
とてもよみやすい文章なのに すぐに気づく。
章だてが親切で、内容もきれいに整理されている。
リズムがここちよく、スラスラとさきへすすみたくなる。
過不足のないことばえらびに、
シンプルでありながらオリジナルな文章。
たくさんの本をだされている倉下さんに
こんないい方は失礼だけど、完成度のたかさが印象にのこる。
本書は、全編にこまやかな配慮がいきとどいており、
安心して倉下さんの「神の手」に身をまかせる。
この本は、できないことを前提にしてかかれている。
人間は、不完全・不合理な存在で、間違いをおかすことはさけられない
そんなわたしたちが、どうタスク管理にとりくんでいくか。
タスク管理について、ひととおり説明したあとで、
ここまでくれば準備は万端。(中略)あとは実践あるのみなので、何か好きなノウハウを選んで実行してみてください、と言いたいところなのですが、そう言って終わらせることはできません。なぜなら、その「実践」が難しいからです。
倉下さんは、フツーのひとが
どれだけ腰がおもいのかを、よくわかっている。
フツーのひとがおちいりやすいワナにたいして、
ちゃんと処方箋が用意されている。
できない自分はダメなやつ、ではなく、
できるほうが不思議なわけで、
そんななか、うまくいった例があれば、
なぜうまくいったのか、
どうしたら再現できるのかをかんがえる
「ブライト・スポット」の手法が示唆にとむ。
たいした決心もなしに、
わたしはなぜブログをつづけられているのか。
コーヒーを、あっさりやめられたのはなぜか。
ひとは、あんがい決心なんてものとは
関係ないところでうごいているのかもしれない。
第8章は
「よくある失敗とそこからのリカバリー」にあてられている。
たとえば
・毎回の作業を「キリの良いところ」ではなく、
「キリの悪いところ」で終わらせてしまう
・「第2章を執筆する」ではなく
「第2章の執筆を1時間進める」に項目を書き換える
など、いかにも効果がありそうな「頓服」だ。
本書の実践として、いちばん簡単そうな
「5分ダッシュ方」をためしてみる。
タイマーで5分はかり、5分だけにかぎって
部屋のかたづけをする。
たった5分なので、心理的なハードルはひくいし、
いったんからだをうごかすと、
5分でもかなりのかたづけがすすむ。
まだ2日しか「ダッシュ」していないのに、
おどろくほど部屋がきれいになった。
つぎの日のかたづけが、たのしみになってきた。
第9章の「人生の舵を取るタスク管理」は
本書のまとめとなっている。
「自分のやること」を決めるためには、「何が自分のやることなのか」を決めなければなりません。それはつまり、「自分の役割」を定めるということです。そしてそれは、必然的に「自分とは何か」を決定づける要素にもなります。
ほんとに、「やること」って、いったいなんだろう。
「やること」がわかれば 自分もわかる。
しかし、「別に前に進まなくてもいいんだ」という選択肢はいつでもキープしておきたいところです。なにせ「前」だと思っていたものが、まったく前ではなかった、ということがありうるのです。
「不完全・不合理」なわたしは、
そういってもらえると、すごく気がらくになる。
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「とてもよみやすい文章」と言っていただけて大変嬉しいです。