2019年05月30日

「ひらがな・カタカナ・ニュース」と新美 南吉さんの「でんでんむしの かなしみ」

ネットでなにかを検索したとき、
「ひらがな・カタカナ・ニュース」にであった。
「ネコ の せいで テニスの しあいが ストップ」
という記事だ。
https://www.trt.net.tr/japanese/supotu/2018/05/21/hiraganakatakananiyusu-nekono-seide-tenisuno-siaiga-sutotupu-975875
浅野涼子という方が、日本語学習者と、
日本語教育をしているひとにむけ、
教材として提供しているニュースらしい。
5がつ11にちから はつか(20日)まで、 イタリアの ローマで テニスの イタリアこくさい(Internazionali d'Italia)が ありましたが、 そこで とても おもしろい じけんが ありました。

タイトルどおり、記事はひらがなとカタカナだけでかかれている。
これまで、このようなニュースの存在を わたしはしらなかった。
わたしは、あまり漢字をしらないひとにでもよんでもらえるように、
できるだけ漢字をつかわないで文章をかこうとしている。
「ひらがな・カタカナ・ニュース」は、
どれくらいのひとによまれているだろう。
漢字をつかわない記事は、
日本語学習者に どううけとめられているのか。

ところで、上の記事は、
文章のかたまりが「名刺+助詞」となっている。
わかちがきをするとき、どこで 文章をきるのかは
あんがいやっかいな問題だ。
「テニス の」とするか、「テニスの」とするか、
統一性をもたせるのはかんたんではない。
ネコの記事は、名詞と助詞をつづけているけど、
1年後にかかれたべつの記事では、助詞をわけている。
ぜんごうオープンテニス(オーストラリア・オープンテニス) の じょしシングルス の けっしょう が 1がつ 26にち に オーストラリア の メルボルン で ありました。

どういう基準でかきわけているのか わたしにはわからない。

わたしのしりあいが、わたしの文章はよみにくいといって、
たてがきでかかれた ひらがなだけの文章をおくってきた。
新美 南吉さんのかかれた
「でんでんむしの かなしみ」という詩で、
ひらがなだけなのに、たしかによみやすい。
よこがきと、たてがきのちがいかもしれないと、
おなじ詩をよこがきにしたら、かわらずよみやすかったので、
新美 南吉さんのことばえらびがすぐれているのだろう。
 いっぴきの でんでんむしが ありました。
 ある ひ その でんでんむしは たいへんな ことに きが つきました。
「わたしは いままで うっかりして いたけれど、わたしの せなかの からの なかには かなしみが いっぱい つまって いるでは ないか」
新美 南吉「でんでんむしの かなしみ」より

浅野涼子さんのかかれたネコの記事とくらべると、
新美 南吉さんの文章のほうがよみやすい。
浅野さんの記事は、日本語学習者にむけてかかれた
いわゆる「やさしい日本語」のせいかもしれないけど、
新美 南吉さんの詩だって、
かんたんなことばをえらんでかかれている。
漢字をつかわなくても、これだけよみやすくかける ひとつの例だ。

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posted by カルピス at 22:41 | Comment(2) | 表記法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。

こちらの記事、偶然発見し、びっくりしました。
かの有名な新美南吉さんと比較していただいたなんて、大変光栄です! ありがとうございます。

わかち書きについては、文節ごとに区切るか単語ごとに区切るか散々悩んだ挙句、思うところあり、ある時期から基本的に単語ごとに区切ることにしました。
なので、単純に記事が書かれた時期によるものです。

小学1年の教科書など、文節ごとに区切ることが多いように見受けられるので、「ひらがな・カタカナ・ニュース」は読みづらかっただろうと思います。
いろいろなパターンがあって良いと開き直っています。

https://twitter.com/ryaryako/status/1491454170611990531
(文字数の制限があるので、一部端折っています)
Posted by 浅野涼子 at 2022年02月10日 02:03
浅野さま。
コメントをありがとうございます。
だれもよまないのをいいことに、
テキトーなことをかいているブログです。
浅野さまの記事について、失礼がなかったか 心配しています。
文節できるか、単語ごとにきるかは、
時期的な差によるもの、とご説明いただき
納得しているところです。
「いろいろなパターンがあって良いと開き直っています」
という気らくなかまえもいいですね。
これからも にぎやかなおたよりをたのしみにしています。
Posted by しまねの吉田 at 2022年02月10日 14:07
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