2019年09月01日

第8回目の「村上RADIO」をたのしむ

第8回目となる「村上RADIO」をきく。
せんしゅう放送された第7回目をききのがしたので、
今夜はなんとしても、とおもっていたのに、
間にあわなくて10分ほどききそびれる。
あとでしったけど、放送にさきだち、
18時からは第7回目が再放送されていた。残念。

内容は、6月26日におこなわれた公開収録イベントを、
前半・後半にわけたものらしい。
今夜の放送は、だからイベントの後半にあたる。
おしゃべりのほとんどは、「村上RADIO」のサイトにのっているけど、
https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/
村上さんが朗読したビル=クロウの小話は未収録だ。
すごくおかしかったので、
おもいだせる範囲で紹介する。

サファリのツアーにきている観光客が、
夜テントのなかで不気味なドラムのおとをきいた。
現地人のガイドは平気な顔だ。
「ドラムがなっていれば大丈夫。
 ドラムがやむと、すごくまずい」
つぎの夜もまた、ドラムの音がなりだした。
観光客たちはおそろしくてふるえるが、
ガイドは昨夜とおなじことばをくりかえす。
「ドラムがなっていれば大丈夫。
 ドラムがやむと、すごくまずい」
3日目の夜、とつぜんドラムがやんだ。
「ドラムがやむと、すごくすごくまずい」
ガイドはまっさおになる
(まっさおになった黒人って、どんな色なんだろう?)。
「すごくまずい、って、どうまずいんだ?」
観光客のひとりがたずねると、ガイドがいった。
「ドラムがやむと、ベースソロがはじまる」

すこし間をおいて、わらいがこみあげてくる。
よほどへたくそなベースひきなんだろう。

そのあと村上さんの作品である『夜のくもざる』から
「天井裏」が朗読される。
天井裏に、なおみちゃんという小人がすんでいる不思議なはなし。
こちらは、興味のある方は、作品をあたってほしい。
村上さんは、この作品をかいた記憶がないそうで、
朗読のあと、
「でも天井裏になおみちゃんがいるといやですよね」
が、まったく第三者の感想みたいで おかしかった。

村上さんのはなしかたは、文章からうける印象より、
ずっとおしがつよくきこえる。
淡々と自信にみちており、それでいて、いやなかんじはうけない。
リラックスしておしゃべりをたのしんでいる。
村上さんとしても、ラジオの企画はたのしいのだそうで、
また機会がつくられそうなようすだ。たのしみにまちたい。

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posted by カルピス at 21:12 | Comment(0) | 村上春樹 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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