これがさいごの草かり。
ことしさいご、なのではなく、
田んぼでの草かりが、これでさいごだ。
5年つづけて米をつくろうとしたけど、
収穫があったのは 1年目だけで、
それもたった18キロというわずかな量だった。
2年目からことしにかけて、
あとの4年は ほとんど稲がそだたなかった。
福岡正信さんがとなえる自然農法をまね、
種モミいりの土だんごをつくって田んぼにまいたけど、
まともに芽がでない。
鳥が種モミをたべてしまったのだろうか。
そうだとしても、すこしくらいは芽がでそうなものなのに、
ことしなんて、まったく稲をみかけなかった。
これ以上 米づくりにとりくむ気もちがわいてこない。
田んぼは5年契約でかりたので、
5年目がおわることし、つつしんで田んぼを
もちぬしへかえそうとおもう。
稲がそだたなくても、田んぼまわりの草はからなければならない。
この4年間は、草かりだけに 田んぼへかよっていたようなものだ。
さいごの草かりをおえ、田んぼをみわたすと、
アゼはきれいなのに、田んぼと畑のなかは草だらけだ。
この景色は、一般的な田んぼの逆といえる。
このごろは、おおくの農家が、自分では米つくりをせずに、
うけおい会社に米づくりをたのむのだそうで、
そうした田んぼは、たしかにちゃんと稲がそだっているけど、
最小限しか手間をかけないので、アゼには草がおいしげっている。
米はできていても、まわりは草だらけ、
というのは、なんだかさみしい景色だ。
わたしの田んぼみたいに、田んぼは草ばかりで、
まわりはきれい、というのもへんなかんじだけど。
米ができていないのに、ことしはイノシシが田んぼにやってきて、
あちらこちらを ほりおこしている。
まるで機械をいれて土をたがやしたようにみえるほど、
イノシシが田んぼにはいると めちゃくちゃになる。
米ができないうえに、イノシシまでやってくる田んぼは、
これからどうなるのだろうか。
自然農法をめざしたわたしの米づくりは失敗におわったけど、
環境をたもつ意味では、5年間 田んぼをまもったので、
すこしだけでもお役にたてたとおもいたい。
スポンサードリンク